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民泊運営のオススメ間取りはワンルーム・一戸建てどっち!?
民泊を検討されている方でよくご相談頂くのが、
というものです。
結論:投資と同じでリスク・リターンの大きさがそれぞれ異なり、ワンルーム・一戸建てのどちらにもメリット・デメリットがございます。
ワンルーム:
- 旅行者の7割以上が1〜2人旅であり需要が高い
- 固定費としての賃料、家具家電・消耗品等の初期費用が少なく抑えられる
- 少人数の為クレームになりにくい(騒音・ゴミ)
戸建て:
- 競合が少なく、ファミリー・グループ需要を独占しやすい
- そのため、高単価で獲得しやすい→結果売上をあげやすい
- 長期泊が多くなる傾向にあり、清掃コストなど経費を抑えられる
ワンルーム:
- 競合が多く差別化が必要(民泊物件の5割〜6割ほどが30㎡未満のワンルームタイプ)
- マンション規約・エレベーターの有無・鍵の受け渡し方法・常駐スタッフの有無など事前チェックポイントが多い
戸建て:
- 近隣のコミュニティに溶け込む必要がある。(町会費や近隣の方との集会)
- 長期泊の際には清掃での小まめなやり取りが必要(ゴミやリネン交換)
- 同地番など道案内や目印を明確にする必要がある。
- 初期費用が収容人数が増えるごとに高くなる
初期投資と収益は間取りで異なるので
「民泊でどのくらいのリターンを想定していて、どのくらいまでリスクを取れますか?」
ということを最終的に事業者自身で判断していくことになります。
ただもちろん、1Rでも2LDKでも戸建てでもきちんと運用すれば一定の収益をあげてくれます。
ここではあえて極端に
- マンションの1室タイプのワンルームタイプ(30平米未満)
- 5DKのような一戸建てタイプ(100平米程度)
の2つを比べたときにリターンとリスクはどう変わるのか、そしてそれぞれのメリットデメリットは何なのか、をご紹介してまいります!
1R(ワンルーム)
ワンルーム民泊運営のメリット
❶旅行者の7割以上が1〜3人旅であり需要が高い
画像引用元:Reluxトラベルラボ
上記はインバウンドの旅行者データの一部ですが、
新規・リピーター共に、1名〜3名での旅行が7割以上を占めています。
現状の日本の観光需要を鑑みても、
駅チカエリアなど、ある程度の場所やクオリティのお部屋づくりができれば
一定の需要がなくなることはまずないでしょう。
❷固定費としての賃料、家具家電・消耗品等の初期費用が少なく抑えられる
転貸可能物件(民泊許可物件)として取得した場合は、戸建てに比べて面積が小さいので賃料が安くなる場合が多いです。
賃料に関しては固定経費となるので、事業益に直結します。
また、チェックイン毎にかかる清掃費も部屋が小さいとそれだけ安く抑えることができます。
※ワンルーム25平米ほどなら清掃費はリネン込み5,000円/回程度。
この固定費を安く運営できるのが、小規模施設のメリットです。
また、スタート時に家具家電消耗品(FFE)の調達が必要ですが、
この初期費用もお部屋が小さく、ベッド数も少ない場合は戸建てと比べ安く済ませることができます。
❸少人数の為クレームになりにくい(騒音・ゴミ)
民泊運営において、近隣の方や管理会社・清掃会社からの3大クレームは
- 騒音問題
- ゴミ捨て問題
- タバコ(喫煙)問題
なのですが、ワンルーム運営の場合、一部屋に宿泊できるゲストの人数が少ない為、クレームが起こりにくいのがメリットです。
ゴミ捨て問題もマンションによっては24Hゴミ捨てOKな出入り自由のゴミ捨て場があり、清掃会社様との連携もしやすいです。
(事業用のゴミとなるので区分けする必要はあります。)
上記のような騒音や・ゴミ・タバコのクレームが近隣から上がり、そのまま保健所に連絡されてしまうと、撤退を余儀無くされるケースもありますので、長く続けやすいのもポイントです。
ワンルーム民泊運営のデメリット
❶競合が多く差別化が必須(民泊物件の5割〜6割ほどが30㎡未満のワンルームタイプ)
上記メリットの「始めやすさ」に起因するのですが、競合(ライバル)が参入しやすい、
あるいはすでに競合だらけのエリアになっている、場合もあります。
まずはAirbnbなどのエリア検索で、周辺に競合がどの程度いるのか、供給を確認しましょう。
最近は、大手●●ショップなどの不動産仲介会社・管理会社などが、マンション一棟を借り上げ、
全て民泊にしていく、などの施策を後追いでとる会社も出てきております。
※マンション管理会社がそのまま民泊経営をするので、クレームも起きないです。
「運営していたマンションの1室の隣のマンションが全て民泊施設になった。。」
など相談を頂くこともあり、
これはワンルーム民泊に限らず戸建てでも言えることですが、競合がひしめくエリアではある程度の差別化を図る必要があります。
費用を安く抑え、差別化するためには、
- 壁面にアクセントクロスを貼ったり、
- FFE(家具家電)の調度品をテーマをもち統一させたり(和モダンなど)、
- 人気施設の運営内容を参考にしたり(付帯サービスはあるか?家電にこだわれないか?)
などと選ばれるお部屋作りを目指しましょう。
結果宿泊単価も高く取れるのでやるに越したことはありません。
❷マンション規約・エレベーターの有無・鍵の受け渡し方法・常駐スタッフの有無など事前チェックポイントが多い
そもそもマンション内での民泊運営は管理会社OKが出ないとできません。
また、無人運営の場合には、
鍵の受け渡し方法
- ゲストチェックインを管理人と連携できるか?
- 自動チェックインシステムをエントランスに置けるか?
などをマンションオーナーや管理会社さんと話し合う必要があります。
不動産仲介会社・オーナーからの転貸の許可がたとえ下りていたとしても、
マンション管理会社には必ず確認を入れましょう。
《ワンルーム総括》
まず、ミニマムスタートを切りたい方向けにオススメです。
初期費用も小さく、クレームも起きにくいので、民泊運営について学びながら成長できます。
とはいえ、ワンルームタイプの部屋はAirbnb全体で見ても6割ほどの物件数があり、
場所によっては競合がひしめいており、お部屋の見せ方、インテリアコーディネートが重要になってきます。
Airbnbが日本に参入した当初であれば、
ベッドと最低限の家電(電子レンジ・冷蔵庫・洗濯機)があれば充分に稼働していた物件もありましたが、
今では競合もある程度のクオリティを持ったお部屋づくりをしているので、質素な部屋だと見向きもしてもらえません。
特徴のあるおしゃれな部屋にして写真映えを良くしていく必要がどうしても出てまいりますので、
ご自身でインテリアセンスに自信がなければコーディネーターにまるっと依頼した方が良いでしょう。
また、デメリットのところでは細かいので記載はしませんでしたが、
- マンションでは3F以上はエレベーターが必須(ゲストは大きく重いスーツケースを抱えている場合が多いので階段がキツイ。
- オートロックのマンションでは鍵をどうゲストに受け取ってもらうか(郵便ポストやドアにキーボックスetc)
などマンションならではのチェックポイントも多いです。
リターンとしては、
最大宿泊人数がどうしても3名〜4名程度になるので平均宿泊単価9〜14,000円(立地・シーズンによる)。
12,000円×15日(稼働率50%)=180,000円(売上)
経費を家賃込みで約60%とすると利益は約72,000円/室。
としたら、民泊をメイン事業として月50万以上利益が出したい!という方には向かないが、
家賃や光熱費を差し引いても5万〜10万ほどの利益を安定的に出したいという方
には、クレームが起きにくく、初期費用も低く抑えられる為、安定的に運営出来るのがこのワンルームタイプです。
一戸建て
一戸建て民泊運営のメリット
❶競合が少なく、ファミリー・グループ需要を独占しやすい
例えば寝室が3つあり、100平米ほどの広い部屋は
民泊でなくホテルとしてじゃ●んや楽●トラベルなどで検索しても高級スイートルームしかない、など
エリアによっては供給が圧倒的に少ないです。
多少駅から離れており、近隣に観光名所が少なくても、
例えば、電車の同じ路線一本で観光名所駅まで15分で着く場所、
などでは、駅チカ高単価の小さいホテルととそこまで変わらない値段でも予約がバンバン埋まっていくのがこの一戸建て民泊の特徴です。
家族やグループでは、ひとり旅に比べ、前もって計画を立てて旅行する方々が多いので、
3ヶ月前〜半年前(先々のカレンダーオープン直後)から先行して予約が入りやすく、
運営側としても事業計画を立てやすいのもメリットです。
❷そのため、高単価で獲得しやすい→結果売上をあげやすい
ハイシーズンや特日と呼ばれる年末年始・ゴールデンウィーク・夏休みなどは特に需要が高くなり、
近隣ハイグレードホテルのスイートルームもここぞとばかりに値段を吊り上げるため、
需要に基づいた価格コントロールを行っていれば、一泊あたりの単価を高く取りやすいです。
長期泊が多くなる傾向にあり、清掃コストなど経費を抑えられる
インバウンド需要も特に多く、海外渡航者は連泊日数が多い傾向にあるので、
その分の清掃コストや消耗品・アメニティのコストが安くなります。
(チェックアウト清掃・補充のみでの設定の場合)
筆者運営の施設では、3ヶ月連泊のゲスト様がいらっしゃったりなど、
稼働率が月100%となる物件もあり、物件の宿泊カレンダーが虫食い状態にならず
効率的に運営することができています。
一戸建て民泊運営のデメリット
❶近隣のコミュニティに溶け込む必要がある。(町会費や近隣の方との集会)
一戸建ての家が多いエリアは、他にも一戸建てがあることが多く、
場所によっては、長年住んでいる方ばかりで場所場所によってその周辺のルールやしきたりに従う必要があります。
例えば、町内会費やゴミ捨てルール、回覧板、●町目集会などです。
突然できた民泊施設に悪い噂が立たないよう、事前に近隣の方々への挨拶回りは必須で、
その際に、協力できること、ルールなどを把握しておきましょう。
人によっては、ご不安にされる方も多いので、意見が上がってきた場合は、
なる早での対応が良いと思います。
❷長期泊の際には清掃での小まめなやり取りが必要(ゴミやリネン交換)
メリットの所に書いた嬉しい長期泊ですが、ゲスト様とのコミュニケーションは大事にされた方が良いです。
さすがに2週間以上、清掃も入らない・リネンも交換しないとなるとゲスト様も不満に思われるので、積極的にメッセージでやり取りを行い、
求められた場合にはすぐ対応できるようにしておくのがベターです。
たまに菓子折りを持って行くなどすると大変喜ばれ、高評価、リピート頂けることも多いので、
優良なゲスト様にはしっかりコミュニケーションを取りに行きましょう。
❸同地番など道案内や目印を明確にする必要がある
マンション用地と比べ、一戸建ては入り組んだ場所に立っていることも多く、
そういった物件で民泊運営される場合には、道案内を丁寧に行いましょう。
予約完了メールにPDFや動画での道案内をつけたり、わかりやすい写真などを共有してあげると良いでしょう。
こうしておかないと、当日夜に道に迷った大家族のゲスト様たちが閑静な住宅街を
スーツケースをガラガラ言わせて歩き回り、近隣の方へ意図しないご迷惑となってしまうこともあります。
「当日、迷ったらすぐに連絡くださいね。」
とゲスト様に事前に送るなど、
迷いやすい立地に物件がある場合には気をつけておきましょう。
❹初期費用が収容人数が増えるごとに高くなる
民泊運営でこだわりたいのが寝具の質。
家具家電のなかでもお金がかかるのはベッド一式ですが、
収容人数が多くなれば多くなるだけのベッド数が必要となり、
初期にかかるコストが一戸建て運営では多くなります。(もちろんお皿や備品関係費用も上がりますね)
また、転貸物件として賃料を支払っている場合はマンションと比べて、こちらも高い傾向になります。
うまいこと空き家を活用したり、ちょっとエリアを変えてみるなどして、
賃貸需要は少ないけれど、宿泊需要はまぁまぁあるエリアを選べたらベストです。
《一戸建て総括》
まずワンルーム民泊と比べて圧倒的に競合が少なく、ホテル業界とも食い合わないので、宿泊単価が上げやすく、収益性が高くなりやすいです。
戸建ての民泊の割合は全体の20%ほどとも言われておりますが、例えば
- 中華系の大家族ファミリーが子供と離れ離れにならず、ホテル宿泊では叶わない一緒の家で家族全員で過ごせる。
- 宗教上の理由で一定の食べ物しか食べれない家族が母親の手料理を施設内のキッチンで作って食べることができる。
というような現地の生活を変えずに過ごせるという民泊ならではの需要を叶えられるのも重なり、人気が常に高いです。
リターンとしては
筆者管理の物件でも70万/月 近い売上を出している一戸建ては珍しくなく、収益はワンルーム民泊と比べて圧倒的。
一方で、マンション民泊と違い周囲環境が静かすぎるケースもあり、
夜中にスーツケースをガラガラと転がす音や外国語を話す声などがよく通り、それが近隣の方々からのクレームに繋がりやすくもなります。
またその地域地域で独自の町ルールがある場合(会費や集会)などはルール遵守が最優先です。
また有難い長期泊のゲストが増える戸建てタイプでは、小まめにゴミ回収やリネン交換を申し出たりなど、ワンルーム民泊よりも運営を繊細に行って行く必要があります。
繊細な運営をしないと、結果クレームに繋がりやすく、支払った初期費用も大きい一戸建てなのに即撤退、なんて悲しいことになりかねません。
もし今まで住んでいた戸建てを民泊として貸し出す場合などの、
周りの方との繋がりが事前から深い場合は、あらかじめ民泊の説明をしてきちんとご理解を得てからスタートしましょう。
筆者は、一戸建て民泊施設をスタートする場合は事前に近隣の方々に菓子折りを持って説明に伺うようにしています。
結果、
「あなたがやられる(運営される)のなら安心しました。」
と言っていただけ、その後の運営でゲスト様と交流してくれる方もいたりと、
むしろ色々気を回して頂き、助けてくださっている施設もあります。
是非、一戸建て民泊を始められる際は近隣環境をよく把握しておきましょう。
結論
ワンルーム:
- 旅行者の7割以上が1〜2人旅であり需要が高い
- 固定費としての賃料、家具家電・消耗品等の初期費用が少なく抑えられる
- 少人数の為クレームになりにくい(騒音・ゴミ)
戸建て:
- 競合が少なく、ファミリー・グループ需要を独占しやすい
- そのため、高単価で獲得しやすい→結果売上をあげやすい
- 長期泊が多くなる傾向にあり、清掃コストなど経費を抑えられる
ワンルーム:
- 競合が多く差別化が必要(民泊物件の5割〜6割ほどが30㎡未満のワンルームタイプ)
- マンション規約・エレベーターの有無・鍵の受け渡し方法・常駐スタッフの有無など事前チェックポイントが多い
戸建て:
- 近隣のコミュニティに溶け込む必要がある。(町会費や近隣の方との集会)
- 長期泊の際には清掃での小まめなやり取りが必要(ゴミやリネン交換)
- 同地番など道案内や目印を明確にする必要がある。
- 初期費用が収容人数が増えるごとに高くなる
手始めに民泊を始めてみるのであれば、
初期コストも小さく比較的安定運営ができるワンルーム。
高いリターンを求めるなら、
繊細な運用、リスク管理も必要な一戸建て。
ご自身の状況や目的にあった方を選ばれるのがオススメです。
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