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罰則罰金?無断で民泊を行った場合はどうなるのか?
あってはならないことですが、無許可で民泊を営んでおり、それが保健所に見つかってしまった場合どうなるのか。
現在では、Airbnbを含む民泊予約サイトでは住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出番号の提出が義務付けられており、この届出番号が無いとそもそも主要なサイトへの掲載ができません。
もちろん、旅館業法でも営業許可書の提出が必要で、提出しないと予約開始ができない仕組みになっております。
とはいえ、シェアルームとして貸し出したり、サイトに掲載せずに友達づてで宿泊希望者を探したりと、
民泊新法が出来てまだ日も浅く、法律の抜け穴を探そうとすればできてしまうのが現状。。
では、こういった民泊新法や旅館業の営業許可なしに、民泊事業を行った場合は、実際即逮捕・罰金に繋がるのか?
に関して本日は参考までにご紹介してまいります。
相当悪質なケースでないと逮捕や罰金等の取り締まりまではされません。
※とはいえ、無許可での宿泊施設営業は立派な旅館業法違反であり、当該記事は無許可営業を推奨するものではありません。
また、以下はあくまで筆者の周りでおこったケースであり、実際には各自治体により対応は異なりますのでご留意くださいませ。
実際、無許可民泊が見つかってしまった場合、どういった指導を受けるのか
無許可民泊を営み、それが自治体・保健所の耳に入り指導を受けることになるケースの大半が、
近隣住民や管理組合、物件のオーナーによるクレームが直接上げられたことに起因します。
このケースだと、いきなり直接指導が入るわけではなく、
保健所としても無許可営業が行われている確証が欲しいので、
保健所担当者(環境衛生課など)は、まず物件現地の調査に行きます。
そして物件現場周辺に待機し、
居住者やゲスト、清掃スタッフが出て来るのを待ち直接事情を伺います。
※清掃スタッフに声をかけるパターンが多いですね。
その後、使用者を直接確認できなかった場合は郵便ポストに、
物件所有者または運営管理者へ事情聴取要求の書面を投函
して営業者は呼び出しを受けることになります。
先日、近隣住民の方より、下記施設において反復継続して宿泊が行われていると保健所に連絡がありました。
旅館業法第2条に規定する、宿泊料を受けて、人を宿泊させる旅館業を経営しようとする場合、同法第3条により都道府県知事の許可を受ける必要があります。
旅館業法で規定する旅館業の経営をしているかどうかについて、事情を確認したいので、担当までご連絡くださるようお願いいたします。
こちらが実際に投函された書面の内容です。
また、旅館業の法令(抜粋)も同封されていました。
上記の旅館業法に違反している、ということですね。
この紙が投函された後の対処方法は?
もし、全くの無実(旅館業法取得済みor民泊新法届出番号取得済み)の場合は、
記載されている電話番号に連絡し、法に則って事業を営んでいる旨を伝えましょう。
そうで無い場合は、この最初の勧告の際に、
民泊事業を出来限り早く撤退し、記載されている電話番号に連絡し、事業を停止したことを報告しましょう。
書面が投函された時点で保健所は確証を持って上記の書類を作成しているので、言い逃れを考えるだけ無駄です。
ことを大きくする前に謝罪をするのが良いでしょう。
※実際に、事情聴取に赴くと、
無許可営業しているサイト(届出番号不要で掲載できるサイト)に掲載していた場合はそのサイトが開かれたPCが会議室に置いてあり、
さらに、スタッフからの証言・現場写真をまとめた書類を一式用意して待っていていただけるので、もう完全にアウトです。
また、どちらにせよこの紙が投函されたということは、
すでに近くの方が民泊について良くは思ってなく、ゲストが来なくなるまでしばらくは近隣からも監視され、ゲストにも悪影響が出る場合もあるので、
無許可営業をしていた場合、この紙がきた時点で事業撤退し、
無許可営業以前にどこがクレームを呼ぶ原因になったのかを分析(騒音?ゴミ捨て?など)し、
次は正式な手段で旅館業法(or住宅宿泊事業法)を取得し、クレームが出ない丁寧な営業をするのが望ましいです。
実際に物件を停止する場合の流れ・気をつけることは?
営業許可や届出番号がいらない宿泊予約サイトに掲載をしていた場合、
いきなりゲストへ予約を解除するとゲストから大変なクレームを受けることになります。
撤退はするとしても、なるべくゲストに迷惑をかけない形での流れを下記しておきます。
- まず、宿泊予約サイトを非公開に設定します。
- その後、宿泊する予定のゲストに対して事実をしっかり説明し、丁寧に謝罪し、近くの似たような物件を検索してあげたり、自分が他に管理している物件があったらスペシャルオファーで格安で泊めてあげたりと対応をする。
- その後、物件を停止(or削除)し保健所へ連絡をとる。
実際、ホスト側の都合によるキャンセルはペナルティを課せられることが多いですが、宿泊予約サイトにはだいたい酌量すべき事情ポリシーというものがあり、
保健所からの立退き勧告がきたという事実と資料を送付すれば、ペナルティは受けることは無い場合が多いです。
引用:Airbnbより(例)
※主に自然災害や飛行機が飛ばないことによって予約をキャンセルできるゲスト側にメリットのあるポリシーですが、運営者側に適応される部分も一部あります。
ゲストの方に取ってはホスト都合で急に宿泊先が無くなりスケジュール変更を余儀なくされるので、なるべく早急に丁寧に対応することを心掛けて動くことが何よりも大事です。
なぜ無許可民泊はなくならないの?
一方で無許可民泊いわゆる闇民泊というものですが、
現状なかなか無くならないのも事実です。
そもそも現在(2019年)国内には約40,000物件ほど民泊物件があり、
参考(日経新聞・エアビーの民泊サイト、日本の物件が4万件超に回復)
民泊予約サイトには実際に予約完了したゲストにしか住所が共有されない為、簡単には特定しずらいことが背景にあります。
また上に書いた通り、無許可民泊を特定するためにも保健所が確認のために1件1件回っていく必要もある為、対応に時間が掛かっていることも挙げられます。
まとめとP.S(無許可営業はやめましょう)
今回は、無許可で民泊運営をした場合、そしてそれが発見されてしまった場合、
実際にどういった指導を受けるのかについて解説させていただきました。
相当悪質なケースでないと逮捕や罰金等の取り締まりまではされません。
結論としては、1回目の勧告でいきなり処罰、ということにはならないケースが多くはあるのですが、もちろん自治体により反応は異なりますし悪質な場合は逮捕事例が実際に出ております。
(2018年8月19日に、同年6月15日の民泊新法・改正旅館業法施工後、初めての逮捕事例が公表されました。)
民泊を無許可営業したなどとして、京都府警生活保安課と右京署は14日、旅館業法違反などの疑いで、
京都市下京区の旅館経営会社「キャピタルインキュベーター」と同社の男性社長(30)=大阪市中央区=ら4人を書類送検した。
6月中旬ごろ、京都市長の許可を得ずに右京区西院の2階建て民家で民泊を営業し、
外国人観光客15人から宿泊料計14万8千円を得るなどした疑い。
府警によると、社長らは2016年1月に民家を借り上げて営業を始めた。
民泊仲介サイト「エアビーアンドビー」を使い、今年7月までに238組を宿泊させ、計約1300万円の売り上げがあったという。
引用元:京都新聞
逮捕されたのは、京都市下京区の民泊運営代行会社の『キャピタルインキュベーター』という民泊運用代行会社。
出典元:NHK NEWS WEB
通報のきっかけが騒音・ゴミ問題による近隣住民のクレームから。
2年前当時も京都市自治体が宿泊実態を把握し、指導したが当人は従わず、そのまま現在まで来てしまっていたという。
様々なニュースを多角的に見ていくと、
一時は営業停止に追い込んだが、住民の通報で無許可営業が続いている実態が発覚したという。
把握から摘発までに2年近くかかった。民泊解禁から15日で3カ月。
市は改正法に基づく権限を生かし「ヤミ民泊」の排除を加速する考えだが、市内の違法営業は少なくとも数百件に上るとみられており、道のりは険しい。
「今回は覚知から刑事告発まで2年近くかかったが、改正法が施行されたため、これからは数カ月に短縮するだろう」
今後、逮捕事例が増えていくことにより、指導→逮捕の流れは加速していくと思います。
大前提無許可での民泊運営は旅館業法違反でありますので、絶対にやめましょう。