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民泊の宿泊単価ってどうやって決めるの?価格設定プライシングで気を付けること
今回は民泊サイトで物件掲載開始直後の料金設定・プライシングの仕方について共有していきます!
掲載準備段階から、運用開始後までサポートする形で、Airbnbなどの民泊サイトへの料金設定方法のご紹介していきます。
後半では参考までに、旅館業取得すれば掲載できるbooking.comやExpediaなどの単価調整方法もご紹介してまいります。
- 掲載準備:日本や海外の最繁忙シーズンを把握する
- 運用開始直後:レビューを稼ぐために掲載開始直後の直近1〜2ヶ月の単価を半額に設定
- 運用開始:通常シーズン・平日の単価調整→旅行者の属性を把握
- 運用開始(2~3か月後):予約が入り始めて来たら→単価調整のノウハウを溜めよう
①掲載準備:日本や海外の最繁忙シーズンを把握する
まず予約サイト登録後、
カレンダーオープンと同時に日本の休日(連休や特別休日)の単価を先に調整していきます。
基本的に予約サイトでは最長半年先の日付の宿泊金額を調整できるので、すぐに連休の単価調整をおこなっていきましょう。
なんて考えて、通常料金のままの設定で放置してしまうと、
ゴールデンウィークなどの特別に高い料金でも予約が埋まってくる日にちの場合、周辺施設もこぞって料金を上げています。
せっかくの稼ぎ時なのに周辺と比べて格安単価で掲載しているとゲストにとっては大変お得なので、すぐに予約を取られてしまいます。
常に半年先のカレンダーに特別連休がないかは注視しておきましょう。
海外からの旅行者からの予約はカレンダーオープン直後の半年前から埋まることはザラにあります。
日本での特別連休
日付は年によってズレますが、参考までに下記です。
- 年末年始(12月23日〜1月5日前後) ※最繁忙期(通常料金の3倍ほどでもいいかも)
- 桜シーズン(場所により、4月前半) ※最繁忙期(通常料金の3倍ほどでもいいかも)
- 夏休みシーズン(7月後半〜8月)
- 紅葉時期(9月末~10月前半※場所による)
- ゴールデンウィーク(4月27日〜5月6日)
また、物件現地独自の行事・イベントなどで周辺ホテルの稼働率が100%近くになる場合、
※例えば
- ベランダから花火が見えるときの花火大会
- コンサート会場が近く有名なミュージシャンなどのライブ当日
- お祭り
- 行事ごとの当日
などなど
はその期間も価格調整していきましょう。
海外各国の特別連休
日本だけでなく、あわせて世界の休日の日程も把握しておき、単価調整していきましょう。
- オーストラリア:学校休暇(12月~2月)
- タイ:マカープチャ(2月11~13日)
- 中国:旧正月(2月15~21日)
- 韓国:旧正月(2月15~17日)
- 香港:旧正月(2月16~19日)
- インドネシア:ヒンドゥー正月(3月25日~28日)
- 中国・台湾:清明節(4月2~4日)
- タイ:ソンクラーン(4月13~16日)
- 欧米諸国:イースター(4月14~17日)
- タイ:学校休暇(4月~5月)
- 各国:メーデー(4月29日~5月1日)
- 中国・台湾:端午節(5月27~30日)
- 欧米諸国:学校休暇(6月中旬~9月)
- 韓国:顕忠日(6月3~6日)
- インドネシア:政令指定休日(6月23~28日)
- マレーシア:ハリラヤ・プアサ(6月24~26日)
- アメリカ:独立記念日(7月1~4日)
- タイ:アサラハ・ブーチャ(7月8~10日)
- シンガポール:独立記念日(8月9~13日)
- 韓国:光復節(8月12~15日)
- マレーシア:ハリラヤ・ハジ(8月31~9月3日)
- アメリカ:勤労感謝の日(9月2~4日)
- 中国・台湾:建国記念日(9月30~10月8日)
- 韓国:チュソク(10月3~9日)
- タイ:大王記念日(10月21~23日)
- アメリカ合衆国:感謝祭(11月23~27日)
- マレーシア:マウリッド(12月1~3日)
- タイ:憲法記念日(12月9~11日)
- 欧米諸国:クリスマス・ボクシングデー(12月23~26日)
※年度により日付は異なりますので、あくまで目安として捉えてください。
ご自身の施設にどの国からの旅行者が多いか把握している場合は積極的に単価調整してもよいです。
②運用開始直後:レビューを稼ぐために掲載開始直後の直近1〜2ヶ月の単価を半額に設定
どの宿泊施設でも大事なのがゲストからのレビュー(評価)です。
レビューの数と質が、予約サイトの
- 掲載順位
- ページビュー数
- 予約率
に直結します。
Airbnbでは掲載開始直後は『Airbnbハネムーン』と呼ばれる、
新規プレイヤーの物件の掲載順位を一時的に上げてくれるシステム
もあるので、タイトルに【New OPEN!50%OFF!】などの記載で目立つようにして、
実際にレビュー獲得のために料金を相場よりも下げ、
レビューを書いてくれると約束して頂いた方のみ予約可能としましょう。
レビューを確実に回収するために、
当日、予約してくれたゲストにも改めてレビューを書いて欲しい旨のメッセージを送っておきます。
周辺施設よりも圧倒的に安い単価だとゲストからのレビューも良く返って来やすいため、
開始直後はレビューを稼ぐ為にある程度身銭はきっていきましょう。
まずは注目されることが大事です。
PV数と予約数が上がれば、のちに自然と掲載順位も上がります。
また、ゲストがその時に自分の物件を『お気に入り』登録してくれた場合、
半年後などに予約検討のテーブルに上がる可能性もありますので。
値段を下げた場合、最大連続宿泊日数の制限をかけることを忘れずに。
安い金額で2ヶ月泊まられてしまうと、
ゲスト1組・レビュー1件、、ってことになりかねませんので。。
連続宿泊日数は最大3日間、などで設定しておくといいでしょう。
③運用開始:通常シーズン・平日の単価調整を適切に
上記の設定が終わったら通常の時期・平日の単価調整です。
自分の民泊施設場所が海外旅行者が多いか日本人が多いか
日本人宿泊者が多い場合は、平日には家族連れはなかなか予約が入りません。
(仕事の事情や子供が学校で休みが取れないため)
その為、大人数入るような施設でも2人(夫婦やカップル)で泊まりに来るような方が増えてきます。
しかし、通常の例えば5人で20000円、などの単価だと好立地では無ければ、
なかなか2人では20000円では予約しづらいため、値段を落とす必要があります。
とはいえ、リネン・タオルの洗濯代やアメニティ・消耗品の使用量は通常よりも減りますので、経費負けしない価格で単価設定するのがよいでしょう。
逆に、物件に海外からの旅行者が多い場合は、平日でも家族連れが来ていると思います。
その場合は通常の土日よりは少しだけ価格を下げるだけでもよいでしょう。
④運用開始(2~3か月後):予約が入り始めて来たら
虫食い状態になっている日にちの単価調整
他のゲストの予約と予約の間の平日1日、など。
新規のゲストが短泊せざるを得ない期間の単価を下げていきましょう。
対象の旅行者としては、当日終電を逃した方や、バックパッカーなど、
安く色々な場所を泊まり歩きたいフットワークの軽い層を取り込んでいきます。
スマートプライジングは使わない
自動で周辺物件の予約相場から宿泊単価を調整してくれて、その相場料金で予約を取ってくれるというスマートプライジングというシステム。
労力がかからず確かに便利ですが、料金決めのロジックが公開されておらず筆者は使用しておりません。
短期間使用してみた感覚としては、
周辺の似た物件が出している価格の少し下くらいの金額を提示してくれるように感じますが、
- 明らかに手を抜いている施設(ベッドだけの簡素な部屋)
- 年中固定料金が入っており、宿泊単価調整を行っていない施設
などもいっしょにして取り込み、金額を提示してくるので、
実は自分の物件のポテンシャルはもっと高いのに、低く見積もられ、料金決めされててしまうこともあります。
レビューが20〜30件溜まったら通常価格に戻す
レビューを獲得する為に②で50%OFFなどに設定していた価格を通常価格に戻します。
この際、最大宿泊日数の制限の解除も忘れずに。
予約料金テーブルを作成する
行き当たりばったりでの単価調整は危険です。
仮説を立てて、実証して、今後に活かすPDCAサイクルを回せたらベストです。
予約料金テーブルと呼ばれるものを簡易的に作成しておきましょう。
例えば、繁忙期~閑散期でA~Eなどの5つの価格ランクを作ってレベニューしていく
- A:50,000円(最繁忙期 ゴールデンウイークなど)
- B:40,000円(繁忙期 3連休など)
- C:30,000円(休日 土日・祝前日)
- D:20,000円(通常平日)
- E:15,000円(閑散期 雨季や豪雪予定日など)
こうすることで、
「閑散期でもこの価格で埋まる」などが実績から分かり、ノウハウとして蓄積され今後の売り上げ計画が立てやすくなります。
(補足)ゲストから値下げ交渉が来たら対応する
まるで飲めない値下げ交渉でない限りは、例えばレビューを書いてくれることを条件に認めてあげるとよいでしょう。
少しの値下げで泊まってくれて、レビューを書いてくれるのであれば万歳です。
むしろ、値下げ交渉結果、レビューを書いてくれることに同意したゲストがやってくるときは、
あえてお茶菓子を用意したりして、好印象を残すようにしています。
(高レビューが欲しいから!)
《参考》旅館業取得物件の単価(価格)調整の5つのポイント!
booking.comやExpediaなどの旅館業の営業許可証を取得すれば掲載できる物件を運用している方へ
参考までに、旅館業取得物件での単価調整の方法をご紹介していきます。
※民泊サイトのみに掲載している方は以下は読み飛ばしてください。
- キャンセル率は適正か?キャンセルポリシーは必ず設定する
- コミッション率の調整はしているか
- 旅行客の獲得・カレンダー解放はできているか
- 口コミ件数は十分か?割合は?
- OTA割合は改善できないか
①キャンセル率は適正か?キャンセルポリシーは必ず設定する
予約時決済が無く、キャンセルポリシーも無い場合は、ゲストのキャンセル率・ノーショー(無断不泊)率が高くなります。
また、無料で予約・キャンセル出来てしまう為、
本命の宿泊施設と比較しての第二候補として捉えられ、カレンダーだけ抑えられてしまい、
本命の宿泊料金が下がった、自分の施設を無料キャンセル、
本命物件への乗り換えをされてしまうことも多いです。
事前決済の導入・キャンセルポリシーを厳しくすることは必須です。
また、キャンセル率を下げる為、
総宿泊金額の多いゲストや連泊日数の多いゲストに対しては、メッセージなどで連絡していきます。
②コミッション率の調整はしているか
Booking.comなどではあからさまなのですが、
コミッション率(手数料率)を上げることでサイト内上位掲載され、予約率上昇が見込めます。
空泊にしておくよりかは、経費負けしないのであればコミッションをあげて埋めてしまいましょう。
単なる値下げも施策としてはありですが、コミッションを上げる施策でも合わせて獲得していきましょう。
③旅行客の獲得・カレンダー開放は適切にできているか
予約リードタイム(何日前の予約なのか)は平均何日でしょうか。
旅行客の平均リードタイムが1か月~2か月なので、
これより短い場合は国内の方のウォークイン(予約なし当日チェックイン)や
直近値下げ直後の予約が多いと読み取れます。
- カレンダーが先日付で開放できていないのか
- 旅行客のOTAサイトの掲載が弱いのか
ですが、これは海外からの旅行者が増えることにより、
予約リードタイムが長くなり、(先日付の予約が埋まる)
平均連泊日数の改善が見込まれますので、
例えば、予約サイト上で操作できる広告費を国内だけでなく海外向けに使っても良いです。
※アメリカやインドだけ露出を増やすなど。
平均連泊日数が増えれば当然経費率も下がりますので検討の余地はあると思います。
④口コミ件数は十分か?割合は?
民泊サイトでも一緒ですが、
口コミの件数・質は、ゲストの予約率アップにつながるだけでなく、OTAサイトの掲載順位にも影響を与えます。
ゲストが口コミを書いてくれる確率は少なくとも2~30%ほどは目指したいところ。
国内OTAでは複数プランを作成するとともに、
『口コミを書いてくれると約束してくれるかたに〇〇サービス!』などの、
口コミを増やすプランも作成し、積極的に口コミ・レビュー回収率アップを狙いましょう。
ちなみに、
口コミ内容で一番うれしいのは「コスパがいい」という内容。
これは過去泊まったゲストの料金は検討中のゲストからは見えないため、
閑散期の低価格で口コミキャンペーンで獲得したゲストの「コスパ良い!」の口コミが、
繁忙期の高価格で予約をしようとするゲストにも同様に見える為です。
⑤OTA割合は改善できないか
手数料率の高い、TravelAgent(旅行代理店)や他のOTAサイトからの予約は多くないでしょうか。
その場合はある程度予約サイトへの掲載を絞っても良いかもしれません。
国内なら実績の高い楽天トラベル・海外ならBookingにOTA予約(広告費投下)を寄せてレビューを溜めていくのもひとつです。
まとめ
- 掲載準備:日本や海外の最繁忙シーズンを把握する
- 運用開始直後:レビューを稼ぐために掲載開始直後の直近1〜2ヶ月の単価を半額に設定
- 運用開始:通常シーズン・平日の単価調整→旅行者の属性を把握
- 運用開始(2~3か月後):予約が入り始めて来たら→単価調整のノウハウを溜めよう
今回は民泊サイトで物件掲載開始直後の料金設定・プライシングの仕方について共有していきました。
宿泊料金決めも戦略があるかないかで大きく結果が変わってきます。
掲載開始直後はゲストを安く泊めてレビューを稼ぎ、運用が軌道に乗ってからは料金テーブルに従って価格をコントロールしていく。
皆様の施設が高稼働・高収益をあげられますように!