編集: 民泊学校 編集部 | 公開日: 2026-05-21 | 最終更新日: 2026-05-21

住宅宿泊事業(民泊)の届出件数は2026年3月時点で累計61,605件に達している一方、分譲マンションで民泊を容認している割合は平成30年度調査時点でわずか約0.3%とされています(国土交通省 管理組合における民泊対応マニュアルII・2026-05-20取得)。この数字が示すように、マンションでの民泊開業において最大の関門のひとつが「管理組合・理事会との調整」です。管理規約を正しく読み、必要に応じて様式Cを取得し、場合によっては規約改定の合意形成まで進む——その実務手順を、2026年最新の法制度・公式ガイドラインにもとづいて解説します。

この記事でわかること

  • 管理規約の3パターン(可能・禁止・不明確)の見分け方
  • 様式C(管理組合に禁止の意思がないことの確認書)の取得手順
  • 管理組合・理事会への説明の進め方と承認ステップ
  • 管理規約を民泊可能に改定するための特別決議の手順(令和8年4月法改正前後)
  • 管理組合が民泊を容認する場合の条件10項目
  • 管理規約で民泊を禁止・改定する場合の文言例と手順
  • 違法民泊が疑われる場合の管理組合としての対応5ステップ
マンション理事会 Step1 管理規約の3パターンを確認し民泊可否と様式Cの要否を判断する

Contents

住宅宿泊事業法(民泊新法)のもとで民泊を開業するには、都道府県知事等への届出が必要です。その届出書類のひとつとして、マンション(区分所有建物)の場合は「管理規約の内容を証する書類」の提出が求められています。具体的には、規約が民泊を可能または禁止していない場合、「管理組合に住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類」——通称「様式C」——の添付が必要となります。

住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)では、管理規約と届出の関係について次のように整理されています。

住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)令和6年12月24日最終改正版(2026-05-20取得)
管理規約が定められていない場合は「専有部分の用途は限定されていないものと解される」とし、民泊を禁止する旨の定めはないものと公式に解釈されている

つまり、管理規約に民泊への明示的な言及がなければ、原則として禁止されているわけではないと解される場合が多いのですが、その場合でも管理組合への確認・様式C取得が実務上求められます。また、旅館業法(簡易宿所)の許可申請においては、住宅宿泊事業法のような管理規約確認の法的義務は設けられていませんが、自治体条例によって独自の確認を求めるケースがある点には注意が必要です。

国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)令和7年10月改正版(2026-05-20取得)
第12条(専有部分の用途)に民泊可能・禁止の2種の規定例を掲載。令和7年10月17日、区分所有法改正に伴い同時改正

はじめ君

はじめ君

旅館業(簡易宿所)の許可なら管理規約を気にしなくてよいのですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

旅館業法の許可申請には法律上の管理規約確認義務はありません。ただし、自治体条例で独自に確認を求める場合や、管理規約の禁止条項に抵触した場合は管理組合から是正を求められる可能性があります。物件所在地の自治体と管理規約の両方をご確認ください。

管理規約の確認——3パターンの見分け方

マンションの管理規約における民泊の扱いは、大きく3つのパターンに分類されます。開業前に自分の物件がどのパターンに該当するかを確認することが最初のステップです。

パターン1: 民泊を可能とする明示規定がある

国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)令和7年10月改正版(第12条)では、民泊を認める場合の規定例として以下の文言が示されています。

「区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することができる。」

この文言またはこれに準じる内容が規約に記載されていれば、届出に必要な書類として管理規約の写しを添付するだけで対応できる場合が多いとされています。ただし、「事前に管理組合に届け出なければならない」という事前届出義務が付加されているケースもあるため、規約全文の確認が必要です。

パターン2: 民泊を明示的に禁止する規定がある

民泊を禁止する規定には、いくつかの文言レベルがあります。

文言の種類 具体例 対応
住宅宿泊事業法特定の禁止 「住宅宿泊事業法の届出を行って営む住宅宿泊事業に使用してはならない」 届出不可。規約改定が必要
広い禁止(旅館業含む) 「旅館業法の許可または住宅宿泊事業法の届出の有無にかかわらず不特定の者を対象とする宿泊所の用途に使用してはならない」 旅館業・民泊ともに不可。規約改定が必要
「専ら住宅として使用」のみ 「専有部分を専ら住宅として使用しなければならない」 公式ガイドライン上は不明確(下記パターン3を参照)

規約に明確な民泊禁止条項がある場合、現状では届出を進めることができません。管理組合総会での特別決議による規約改定が必要になります。

パターン3: 「専ら住宅として使用」条項のみ——公式解釈の重要ポイント

民泊に関して最もグレーゾーンとなりやすいのが、「専ら住宅として使用」という条項のみが規定されているケースです。住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)は、この文言のみでは民泊の明確な禁止とは言えないとの公式解釈を示しています。

民泊制度ポータルFAQ(管理規約・マンション関連)(2026-05-20取得)
「専ら住宅として使用」条項だけでは民泊禁止とは判断されず、管理規約に定めがない場合と同様に、管理組合に禁止の意思がないことを確認する書類(様式C)が必要

この解釈を踏まえると、「専ら住宅として使用」のみの場合は、管理組合に「民泊を禁止する意思がないこと」を確認した上で、様式Cとして書面化して届出書類に添付する手続きが必要です。ただしこの解釈は最終的には各自治体の担当窓口や専門家に確認することを推奨します。

はじめ君

はじめ君

「専ら住宅として使用」という条項があるのですが、民泊は難しいですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

国のガイドラインでは、その条項のみでは民泊の明確な禁止とは言えないとされています。ただし管理組合の実態や解釈によって対応が異なるため、まず管理組合に確認した上で、都道府県の民泊担当窓口や行政書士にも相談するのが現実的です。

届出に必要な様式C——管理組合確認書の取得方法

住宅宿泊事業の届出において、管理規約に民泊の可否が明示されていない場合(パターン3を含む)は、「管理組合に住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類」が必要です。これは一般に「様式C」と呼ばれ、国土交通省・厚生労働省の省令(住宅宿泊事業法施行規則第4条第4項第1号ル)に根拠を持ちます。

様式Cの取得ステップ

ステップ 内容 目安期間
1. 管理規約の現状確認 管理規約の写しを入手し、民泊への言及を確認 即日〜3日
2. 管理組合・管理会社への連絡 様式Cの書式を理事長または管理会社へ送付し、確認を依頼 1〜2週間
3. 理事会での確認・決議 理事会で「禁止する意思がないこと」を確認・議事録作成 理事会開催サイクルによる(月1回程度)
4. 様式C(確認書)の交付 理事長署名・捺印の上、書面を交付 理事会後2週間以内
5. 届出書類への添付 様式Cを管理規約の写しと一緒に都道府県窓口へ提出

様式Cの書式は、各都道府県の民泊担当窓口または住宅宿泊事業法の届出システム(minpaku.mlit.go.jp)で入手できます。管理組合によっては理事会開催のタイミングがあるため、届出スケジュールに余裕を持った計画が現実的です。

なお、届出後に管理規約が改正されて民泊禁止の規定が設けられた場合、その時点で民泊事業は実施できなくなり、廃止届の提出が必要になります。これは民泊制度ポータルFAQで明示されている点です(2026-05-20取得)。

注意: 様式Cを取得した後でも、管理組合が総会で禁止決議を行った場合は事業継続ができなくなります。開業後も管理組合の動向を把握しておくことが重要です。

はじめ君

はじめ君

様式Cを理事長に頼んだら、「総会を開かないと判断できない」と言われました。どうすればよいですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

様式Cは理事会での確認でも対応できる場合があります。ただし、各マンションの規約・運営実態によるため、管理組合のルールや担当の管理会社に相談しながら進めるのが確実です。都道府県の民泊担当窓口に様式Cの書式と運用について問い合わせることも選択肢です。

マンション理事会 Step2 管理組合・理事会に説明資料を提出し承認を得る

管理組合・理事会への説明の進め方——事前相談から承認までのステップ

様式Cの取得や規約改定を進める上で、管理組合・理事会との丁寧なコミュニケーションが欠かせません。唐突に「民泊を始めたい」と申し出るのではなく、段階的に情報提供と合意形成を進める姿勢が、スムーズな手続きにつながります。

段階的な進め方の例

第1段階: 管理会社への事前照会(書面推奨)
管理組合の日常的な窓口は管理会社が担っていることが多いため、まず管理会社に対して「住宅宿泊事業法に基づく届出を検討しており、管理規約の民泊に関する条項の確認と、様式Cの取得について相談したい」旨を書面で伝えます。電話だけでなく、メールや書面で記録を残しておくことが後のトラブル防止になります。

第2段階: 理事長への説明資料の提出
理事会の検討に向け、以下の内容を簡潔にまとめた資料を用意します。

  • 住宅宿泊事業法の概要(年間180日上限、届出制、標識掲示義務など)
  • 自分が実施予定の運営形態(家主同居型または不在型)
  • 近隣への配慮策(ゴミ管理、騒音対策、緊急連絡先の整備など)
  • 管理組合が求める条件への対応意思

第3段階: 理事会でのヒアリング・質疑対応
理事会から呼ばれた際は、懸念点(騒音・ゴミ・防犯・近隣トラブル)に対して具体的な対策を説明します。国土交通省「管理組合における民泊対応マニュアルII」では、容認する場合の条件として10項目が示されており(後述)、これらを自主的に遵守する旨を提示することが有効です。

第4段階: 承認・確認書の取得
理事会での承認が得られた後、議事録および様式Cを発行してもらいます。管理組合によっては独自の条件(事前申請と承認・特別管理費の徴収など)を付加する場合もあります。これらの条件に合意した上で書面化することが重要です。

はじめ君

はじめ君

管理組合に説明するとき、どんな書類を渡せばよいですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

住宅宿泊事業法の説明資料(観光庁の公式パンフレット等)、運営計画書(形態・稼働日数・緊急連絡先)、近隣への配慮策をまとめた1枚ペーパーが基本セットです。管理組合の懸念事項を先回りして整理することが、スムーズな承認につながります。

管理規約を民泊可能に改定する方法——特別決議の手順と令和8年4月改正

管理規約に民泊禁止の明示条項がある場合、開業するためには規約改定が必要です。管理規約の変更は区分所有法第31条に基づく特別決議が必要とされており、その要件が令和8年4月1日施行の区分所有法改正により変更されます。

重要: 令和8年4月1日から特別決議要件が変わります。 改正前後で必要な賛成数が異なるため、総会開催のタイミングによって適用される制度を事前に確認してください。最終的な判断はマンション管理士・弁護士等の専門家にご相談ください。

特別決議要件の新旧比較

区分 旧制度(〜令和8年3月31日) 新制度(令和8年4月1日施行)
定足数 規定なし(全員が対象) 区分所有者および議決権の各過半数出席が必要
可決要件 区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成 出席者の多数決による特別決議(詳細は改正法令を要確認)
根拠 区分所有法第31条(改正前) 区分所有法第31条(改正後)

国土交通省 令和7年マンション標準管理規約改正概要(2026-05-20取得)
区分所有法改正により令和8年4月1日から特別決議要件が変更。旧制度との比較が掲載されている

規約改定の実務手順

実際の規約改定は概ね以下の流れで進みます。

  1. 理事会への提案: 改定案(国土交通省標準管理規約の規定例(ア)を参考に)を作成し、理事会に提出
  2. マンション管理士・弁護士への相談: 改定案が現行規約・区分所有法に抵触しないか専門家確認
  3. 臨時総会または定期総会での上程: 議案を組合員全員に事前通知(招集通知・案文の送付)
  4. 特別決議での採決: 新旧いずれかの要件をクリアする必要がある
  5. 規約改定の登記(必要に応じて)

国土交通省のマンション標準管理規約の改定例(民泊可能とする場合の第12条「ア」)を参考にすると、「区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することができる」という条文が標準的な文言とされています(2026-05-20取得)。

はじめ君

はじめ君

規約改定に「特別な承諾」は必要ですか?全戸の同意が必要と言われたのですが…。

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

東京地裁平成30年8月9日判決では、民泊禁止規約への改定に区分所有法上の特別な承諾は不要と判示された事例がありますが、これはあくまで一つの判例です。お住まいのマンションの具体的な状況については、マンション管理士または弁護士にご相談されることを推奨します。

管理組合が民泊を容認する場合の条件10項目

国土交通省「管理組合における民泊対応マニュアルII」では、管理組合が民泊を容認する際に整備すべき条件として以下の10項目が示されています。これらは民泊開業を希望するオーナーが自主的に提案・遵守することで、管理組合との合意形成を円滑にする判断指標としても活用できます。

国土交通省 管理組合における民泊対応マニュアルII(2026-05-20取得)
違法民泊排除5ステップ・容認条件10項目・管理組合として民泊と向き合う実務的なガイドラインが掲載されている

No. 条件 オーナーとして対応すべき点
1 家主同居型のみ可能 家主不在型は原則認めない方針の管理組合が多い。自身の運営形態を確認
2 年間180日上限 住宅宿泊事業法の上限と同じ。180日カレンダーで管理
3 管理組合への事前申請と承認 運営開始前に書面で申請し、承認を得る
4 標識掲出の事前協議 住宅宿泊事業法で義務づけられる標識(玄関等への掲示)の位置を管理組合と事前協議
5 セルフチェックインの禁止 スマートロックのみでのチェックインは禁止とし、オーナーまたは管理者が立ち会う
6 館内ルールの遵守 宿泊者に対して共用部・騒音・禁煙等のマンションルールを事前に案内
7 ゴミ出し義務化 ゴミの分別・曜日・捨て場のルールを宿泊者へ明示。違反があればオーナーが対処
8 苦情対応報告義務 近隣からの苦情を受けた場合は管理組合に報告し、対応策を共有
9 保健所連携 届出時の保健所確認状況を管理組合に報告
10 特別管理費の徴収 共用部の消耗増加・管理負担増に対し、管理組合が定める特別管理費を支払う

これら10項目のうち、特に「家主同居型のみ可能」と「セルフチェックイン禁止」は、多くの管理組合が重視する要件とされています。家主不在型での運営を検討している場合は、この点が最初の交渉ポイントになる場合があります。また、特別管理費の金額・算定方法は管理組合ごとに異なるため、事前に確認が必要です。

はじめ君

はじめ君

家主不在型で運営したいのですが、管理組合から「家主同居型のみ」と言われた場合はどうすればよいですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

管理組合の方針が「家主同居型のみ」であれば、現状ではその条件に従う必要があります。方針変更を求めるには総会での特別決議が必要になる場合があり、相当のハードルがあります。実務的には、家主不在型での開業を前提とする場合は、最初から一戸建てや条件のよい物件を探すという判断も一つの選択肢です。

管理規約で民泊を禁止する場合——禁止規定の文言例と改定手順

管理組合側の視点から、今後民泊禁止の規定を設ける場合、または既存の「専ら住宅として使用」条項をより明確な禁止規定に改定する場合の手順と文言例を解説します。

禁止規定の文言例(国土交通省の対照表より)

国土交通省の管理規約改正案(第12条)対照表では、以下の禁止規定例が示されています。

民泊を禁止する場合の標準文言(広い禁止):
「区分所有者は、その専有部分を旅館業法の許可または住宅宿泊事業法の届出の有無にかかわらず不特定の者を対象とする宿泊所の用途に使用してはならない。」

国土交通省 管理規約改正案(第12条)対照表(2026-05-20取得)
民泊禁止の場合の規定例(1)として旅館業・住宅宿泊事業の両方を対象とした広い禁止文言が掲載されている

この文言は旅館業(簡易宿所)と住宅宿泊事業の両方を対象としており、「届出の有無にかかわらず」という表現によって、届け出を行ったとしても宿泊所としての使用を禁止するという明確な意思を示しています。

禁止規約改定の手順

禁止規約への改定も、民泊可能への改定と同様に区分所有法に基づく特別決議が必要です。なお、東京地裁平成30年8月9日判決では、民泊禁止規約への改定に際して、区分所有法上の「特別の影響を受ける区分所有者の承諾」は必ずしも不要と判示された事例がありますが、これは個別事案の判断であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。専門家(マンション管理士・弁護士)への確認を強く推奨します。

また、現時点で民泊を営んでいるオーナーが存在する中で禁止規定を設ける場合、そのオーナーへの経過措置(一定期間内の廃業猶予など)について管理組合として検討することが、トラブルの予防につながります。

はじめ君

はじめ君

禁止規定の改定後に民泊を続けた場合、どうなりますか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

禁止規定が設けられた後に民泊を続けることは管理規約違反となり、管理組合から使用差止め請求や原状回復請求等が行われる可能性があります。また住宅宿泊事業法上も廃止届の提出義務が生じます。早期に廃業手続きを進め、行政書士等に相談することを推奨します。

違法民泊対応——管理組合として排除する5ステップ

管理規約で民泊を禁止しているにもかかわらず、届出なしに宿泊営業が行われているケースも現実に存在します。国土交通省「管理組合における民泊対応マニュアルII」では、違法民泊を排除するための5つのステップが示されています。

ステップ 内容 チェックポイント
1. 記録 不審な往来・宿泊者と思われる人物の記録(日時・状況メモ、防犯カメラ映像など) 個人情報・プライバシーへの配慮が必要
2. 周知・注意 管理組合の名で管理規約違反の可能性について書面にて通知・注意喚起 書面で記録を残す
3. 証拠確保 OTAの掲載情報、館内での騒音記録等を証拠として保全 弁護士への相談も視野に
4. 保健所・都道府県への連携 無届け営業が疑われる場合は都道府県の民泊担当窓口または保健所に通報 民泊制度コールセンター(0570-041-389)も活用可
5. 終息確認 営業停止の確認後、再発防止策(規約明記・管理強化)を実施 規約に禁止条項がない場合はこの機会に整備

特にステップ4で重要となるのが民泊制度コールセンター(0570-041-389)の活用です。無届けの住宅宿泊事業や旅館業法違反が疑われる場合の通報窓口として機能しています。また、個別の法的措置(使用差止め請求など)については、弁護士への相談が必要になる場面もあります。

はじめ君

はじめ君

上の階の部屋が民泊をしているようなのですが、管理組合に言っても動いてくれません。どこに相談すればよいですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

まず民泊制度コールセンター(0570-041-389)または物件所在地の都道府県の民泊担当窓口・保健所に通報することが一つの方法です。管理規約違反を法的に止めるには弁護士を通じた対応が必要になる場合もあります。

マンション理事会 Step3 管理規約改定(特別決議)または禁止規約対応の手順を完了させる

よくある失敗例と対処法——5つのケーススタディ

マンション民泊の実務では、管理組合との調整に関するトラブルや手続きミスが多く発生しています。代表的な5つの失敗パターンと、その対処策を解説します。

失敗例1: 様式Cなしで届出を提出した

管理規約に民泊の明示規定がないにもかかわらず、様式Cを添付せずに届出を提出したケースです。都道府県の窓口で書類不備として受理されず、改めて様式Cを取得した上で再提出が必要になりました。届出前に管理規約の状態を確認し、必要な書類を揃えることが最初のステップです。

失敗例2: 理事会を経ずに様式Cを取得した

管理会社の担当者に口頭で確認しただけで「OK」と思い込み、様式Cを正式に発行してもらわずに届出を進めたケースです。後から管理組合が「そのような承認はしていない」と主張してトラブルになりました。様式Cは理事会での確認・議事録作成・理事長署名の正式な手続きを経て取得することが原則です。

失敗例3: 「専ら住宅として使用」条項を禁止と誤解した

管理規約に「専ら住宅として使用」という条項があるのを見て、「民泊は禁止されている」と判断して開業を諦めてしまったケースです。前述のとおり、公式ガイドラインでこの文言のみでは明確な禁止とは言えないとされています。管理規約の条文を正確に読み、都道府県の民泊担当窓口や行政書士に相談することが重要です。

失敗例4: 届出後に管理規約が改定されて廃業を余儀なくされた

様式Cを取得して届出を完了し、民泊を開始した後で、管理組合が総会で民泊禁止の規約改定を行ったケースです。規約改定後はその旨に従う必要があり、廃止届の提出と宿泊予約のキャンセル対応が発生しました。届出後も管理組合の総会議題に注意を払い、早期に動向を把握することが大切です。

失敗例5: 規約改定の特別決議の要件を誤解した

令和8年4月の区分所有法改正を把握していなかったため、改正前の「4分の3以上」という要件だけを頭に入れたまま総会を開催し、要件の計算に混乱が生じたケースです。改正前後で適用される制度が異なるため、改正のタイミングを正確に把握した上で、マンション管理士や弁護士と連携して手続きを進めることが必要です。最終的なご判断は、必ず専門家にご確認ください。

はじめ君

はじめ君

管理組合の対応で困ったときは、どこに相談すればよいですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

管理規約の解釈や改定については、マンション管理士または弁護士への相談が有効です。届出手続き全般については、民泊に詳しい行政書士への依頼も選択肢です。都道府県の民泊担当窓口も相談の入口として活用できます。

判断フロー——あなたのマンションで民泊できるか

以下の判断フローを参考に、自分のマンションの状況を整理してください。最終的な判断は、必ず都道府県の民泊担当窓口・行政書士・マンション管理士等の専門家にご確認ください。

チェック項目 該当する状況 次のアクション
管理規約に「民泊可能」の明示規定 ある 規約の写しを添付して届出を進める(事前届出義務があれば管理組合に届出)
管理規約に「民泊禁止」の明示規定 ある 規約改定(特別決議)が必要。専門家に相談
管理規約に「専ら住宅として使用」のみ あり、それ以外の言及なし 管理組合へ確認・様式C取得。都道府県窓口または行政書士に相談
管理規約に民泊への言及なし 民泊に関する記述が見当たらない 管理組合へ確認・様式C取得。同上
管理組合が「禁止の意思なし」と確認 様式Cを発行してもらえた 様式Cを添付して届出を進める
管理組合が「禁止」と表明 様式Cの発行を拒否された 規約改定を求めるか、開業を断念する
届出後に禁止規約が制定された 規約改定が総会で可決された 廃止届を提出し、営業を停止する
はじめ君

はじめ君

まず何から手をつければよいですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

まず管理規約の現物(特に第12条・用途制限の条項)を確認するのが第一歩です。次に無料の物件可否診断を活用して、用途地域・条例との整合性も合わせて確認することをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 管理規約に民泊への言及がなく、管理組合に連絡がつかない場合はどうすればよいですか?

まず管理会社を通じて理事長への連絡を試みてください。管理会社が不明な場合は、マンションの掲示板・管理組合の連絡先を確認します。どうしても連絡が取れない場合は、都道府県の民泊担当窓口に状況を相談し、対応方法のアドバイスを求めることが現実的です。手続きは書面で記録を残しながら進めることを推奨します。

Q2. 管理規約で「専ら住宅として使用」と書いてあっても民泊できる可能性はありますか?

住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)では、「専ら住宅として使用」という条項のみでは民泊の明確な禁止とは言えないとの公式解釈が示されています。ただし、管理組合の実際の意思や条文全体の解釈によって判断が異なる場合があります。都道府県の民泊担当窓口または行政書士・マンション管理士に確認してから手続きを進めることを推奨します。

Q3. 様式Cを取得したらずっと民泊を続けられますか?

様式Cは取得時点での管理組合の意思確認書類です。その後、管理組合が総会で民泊禁止の決議を行った場合は、その規約に従って民泊を停止し、廃止届を提出する必要があります(民泊制度ポータルFAQ・2026-05-20取得)。開業後も管理組合の動向を継続的に確認することが重要です。

Q4. 旅館業(簡易宿所)の許可を取る場合も管理規約を確認する必要がありますか?

住宅宿泊事業法のような法律上の管理規約確認義務は旅館業法には設けられていません。ただし、管理規約に「旅館業法の許可を含む宿泊所使用禁止」の条項がある場合は、許可を取っても管理規約違反となる可能性があります。また、自治体条例によって確認を求めるケースもあるため、物件所在地の自治体窓口への確認が必要です。

Q5. 管理規約の改定に必要な特別決議は、令和8年4月以降どう変わりますか?

令和8年4月1日施行の区分所有法改正により、特別決議の要件が変更されます。旧制度では区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成が必要でしたが、新制度では定足数(過半数出席)を前提とした多数決方式に変更されます。詳細は改正法令を直接確認し、マンション管理士または弁護士に相談の上、手続きを進めることを推奨します(国土交通省 令和7年マンション標準管理規約改正概要・2026-05-20取得)。

Q6. 管理組合が民泊を容認する条件として「特別管理費」を求めてきました。いくらが相場ですか?

特別管理費の金額は管理組合ごとに設定が異なり、法令上の上限・下限はありません。共用部の清掃・消耗品増加・管理負担増を根拠に算定されることが多いですが、具体的な金額は各管理組合との交渉次第です。納得のいく算定根拠を求め、書面で合意内容を確認することが重要です。

Q7. マンション以外(戸建て・一戸建て)でも管理規約の確認は必要ですか?

一般的な戸建て住宅には管理組合・管理規約が存在しないため、マンションのような管理規約確認の手続きは通常不要です。ただし、借地上の戸建てで地主との条件がある場合や、地域住民協定・景観地区の制限がある場合は、それらの確認が必要になることがあります。物件の状況に応じて確認してください。

まとめ

マンションでの民泊開業において、管理規約と管理組合との調整は避けて通れない実務の核心です。重要なポイントを整理すると以下のとおりです。

  • 管理規約の3パターン(可能・禁止・不明確)を正確に見分け、必要に応じて様式Cを取得する
  • 「専ら住宅として使用」条項のみでは、ガイドライン上は明確な禁止とは言えないが、管理組合の意思確認が必要
  • 管理組合への説明は段階的に、書面記録を残しながら進める
  • 容認条件10項目(家主同居型限定・セルフチェックイン禁止など)を自主的に提案することが合意形成の近道
  • 規約改定には特別決議が必要。令和8年4月1日施行の区分所有法改正で要件が変わるため、専門家への確認が必須
  • 様式C取得後も、管理組合の動向を継続的に把握することが事業継続の安全弁になる

分譲マンションで民泊を容認している割合は現状でわずか約0.3%(平成30年度調査時点・マンション管理業協会)とされており、決して容易ではありません。しかし、制度を正確に理解し、管理組合との信頼関係を丁寧に構築することで、合法的かつ持続可能な民泊運営の実現に近づきます。最終的なご判断は、必ず都道府県の民泊担当窓口・行政書士・マンション管理士・弁護士にご確認ください。

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公式ソース一覧

国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)令和7年10月改正版(2026-05-20取得)
第12条(専有部分の用途)に民泊可能・禁止の2種の規定例を掲載

住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)令和6年12月24日最終改正版(2026-05-20取得)
管理規約と届出の関係、「専ら住宅として使用」条項の公式解釈、様式Cに関する根拠が掲載

国土交通省 報道発表「マンション標準管理規約の改正について」(平成29年8月29日)(2026-05-20取得)
住宅宿泊事業法の成立を受け、民泊実施をめぐるトラブル防止のための規定例を示した改正の背景

民泊制度ポータルFAQ(管理規約・マンション関連)(2026-05-20取得)
「専ら住宅として使用」条項の解釈、様式C、届出後の規約改正に関するQ&A

国土交通省 管理組合における民泊対応マニュアルII(2026-05-20取得)
違法民泊排除5ステップ、容認条件10項目、民泊制度コールセンター(0570-041-389)情報を掲載

国土交通省 令和7年マンション標準管理規約改正概要(2026-05-20取得)
区分所有法改正に伴う特別決議要件の新旧比較(令和8年4月1日施行)

国土交通省 管理規約改正案(第12条)対照表(2026-05-20取得)
民泊禁止の場合の規定例(1)として広い禁止文言と事前届出規定を掲載


⚠️ 本記事は2026年5月時点の制度を解説しています。住宅宿泊事業法・旅館業法・区分所有法の制度は改正される可能性があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

ご確認ください(民泊学校 編集部より)

本記事は 2026-05-20 時点で公開されている公式情報・一次情報をもとに編集しています。
法律、条例、税制、消防、各種許認可、収支見通しなどは、お住まいの自治体・対象物件の所在地・物件種別・運営形態によって取扱いが異なります。
最終的なご判断は、必ず以下にご確認ください。

  • 制度・条例: 民泊制度ポータルサイト / 物件所在地の自治体(住宅宿泊事業 / 旅館業 / 特区民泊の所管課)
  • 管理規約・区分所有法: マンション管理士 または 弁護士
  • 消防: 物件所在地の所轄消防署
  • 税務: 顧問税理士 または 所轄税務署
  • 許認可・届出: 行政書士(民泊・旅館業に詳しい方)
  • 近隣対応・契約: 弁護士・宅地建物取引士

当サイトでは、上記の専門家・自治体への確認窓口を 運営代行業者の選び方 で案内しています。
収支試算は 収支シミュレーター、物件可否は 無料可否診断 をご利用ください。

本記事の情報は予告なく変更される可能性があります。掲載情報の利用により生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。


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