民泊の定期報告(2ヶ月ごと)の書き方と提出方法 2026年版|報告期限・項目・罰則・電子申請まで完全ガイド
編集: 民泊学校 編集部 | 最終更新日: 2026-10-15
住宅宿泊事業(民泊)の届出をして運営を始めたあと、意外と見落とされがちなのが「2ヶ月ごとの定期報告」です。観光庁・都道府県への定期的な報告は住宅宿泊事業法第14条に明記された法的義務であり、怠れば30万円以下の罰金の対象となる可能性があります。「どの期間の何を報告するのか」「どうやって提出するのか」「提出しないとどうなるか」——こうした実務上の疑問に、公式情報をもとに具体的な手順で答えます。
この記事でわかること
- 定期報告の法的根拠(住宅宿泊事業法第14条・施行規則第12条)と報告義務者
- 報告が必要な4項目(宿泊日数・宿泊者数・延べ宿泊者数・国籍別内訳)の具体的なカウント方法
- 年6回・偶数月15日締めのスケジュールと各報告期間の対応表
- 民泊制度運営システム(電子申請)でのログイン手順とCSVアップロードの使い方
- 参考様式(紙・Excel)での提出方法
- 管理業者に委託している場合の責任関係
- 未提出・虚偽報告に対する罰則と行政指導の実態
- 定期報告をミスなく続けるための実務テクニック
⚠️ 定期報告の提出期限や様式は、物件所在地の都道府県担当課の運用によって取扱いが異なる場合があります。本記事は2026年5月20日時点の公式情報をもとに作成していますが、最終確認は必ず民泊制度ポータルおよび都道府県担当課にて行ってください。
民泊制度ポータル — 住宅宿泊事業者の業務(定期報告)(2026-05-20取得)
定期報告の4項目・提出期限(偶数月15日)の公式解説
住宅宿泊事業法施行規則 第12条(厚生労働省)(2026-05-20取得)
報告頻度・提出期限の法的根拠。電子申請または参考様式による提出の規定
民泊制度ポータル — 罰則・留意事項(2026-05-20取得)
定期報告未提出または虚偽報告に対する罰則(30万円以下の罰金)の公式記載
民泊制度ポータル — 民泊制度運営システム(定期報告)(2026-05-20取得)
電子申請システムのURL(https://www.minpaku.mlit.go.jp/jigyo/login)・CSV形式・国籍区分(日本+20の国・地域+その他の計22区分)
民泊制度ポータル — 様式集(2026-05-20取得)
参考様式「住宅宿泊事業に係る定期報告」(Excel形式)の公開元
本記事に出てくる金額・所要時間・比率、および「〜すると改善する/効果が期待できる」といった効果の見込みは、編集部が公開情報や市販品の公開価格、運営実務から整理したもので、特定の公的資料に基づく統計値・基準値・保証された効果ではありません。物件・地域・時期・事業者によって大きく変わるため、実際の判断は見積りの取得と、自治体・消防署・税理士・行政書士など専門家への確認で行ってください。制度・法令に関する記述の根拠は、記事末尾の「本記事が参照した公式情報」に掲載しています。
定期報告とは|住宅宿泊事業法第14条が求める義務の概要
住宅宿泊事業(民泊)を営む上で、届出・設備基準・宿泊者名簿の管理とならんで忘れてはならないのが定期報告の義務です。これは「民泊を何日使ったか、どの国の人が何人泊まったか」を行政に定期的に報告するもので、住宅宿泊事業法第14条に明確に規定されています。

住宅宿泊事業法 第14条(要旨)
住宅宿泊事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、2ヶ月ごとに、前2ヶ月間における届出住宅に係る宿泊日数等を都道府県知事に報告しなければならない。
この「国土交通省令・厚生労働省令で定めるところ」が住宅宿泊事業法施行規則第12条であり、提出すべき4項目と提出期限(届出住宅ごとに偶数月15日まで)が規定されています。民泊制度運営システムでの報告を原則とする旨は、住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)に示されています。
なぜ定期報告が必要か(行政の把握目的)
定期報告は、国・都道府県が民泊市場の実態を把握するための基礎データになります。宿泊日数や国籍別の宿泊者数を集計することで、観光庁が全国の民泊稼働状況を統計化し、政策立案や制度改正に活用しています。実務上は「行政への自己申告」という位置づけですが、提出データは行政監視の根拠にもなります。
また、都道府県は提出された定期報告と宿泊者名簿の内容を照合することがあります。報告値と名簿の記録が大きく乖離していると、立入検査のきっかけになるケースもあるとされています。現状の運用では、定期報告は「出すだけでよい」書類ではなく、日々の記録管理と紐づいた重要な手続きです。
報告義務者(住宅宿泊事業者本人、管理業者委託でも義務は事業者)
定期報告の義務を負うのは、届出を行った住宅宿泊事業者本人です。住宅宿泊管理業者に運営を委託している場合でも、報告の法的責任は事業者(物件オーナー)にあります。
ただし、管理業者がシステムへの入力代行を行うことは実務上認められています。委託契約の中に「定期報告の代行」が含まれているかどうかを事前に確認しておくことが現実的です。代行する場合であっても、報告内容の最終確認は事業者自身が行う体制を整えておくことが望ましいでしょう。
⚠️ 管理業者に「報告もやってもらっている」と思い込んでいたところ、実際は代行されておらず未提出になっていた、というケースが報告されています。委託の範囲を契約書で明確にしておくことを推奨します。
管理業者に運営を任せていれば、定期報告も自動的にやってもらえるんですか?
代行が含まれているかは契約内容次第です。委託していても報告の法的責任は事業者にありますので、管理業者と「定期報告を代行するか」を契約段階で書面で確認しておくのが現実的です。
定期報告の4項目|何を報告するか
民泊制度ポータルによると、定期報告で提出が必要な項目は以下の4つです。

| 報告項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① 宿泊日数 | 届出住宅を宿泊に使用した日数 | 「正午〜翌正午」で1日とカウント |
| ② 宿泊者数 | 報告期間中に実際に宿泊した人の総数(実人数) | 同じ人の連泊は1人と数える(日ごとに足さない) |
| ③ 延べ宿泊者数 | 全宿泊日の宿泊者数の合計 | 1人が1泊するごとに1人と数えた合計(1人が3泊なら3人) |
| ④ 国籍別内訳 | 宿泊者の国籍ごとの人数 | 日本+20の国・地域+その他の計22区分で分類 |
① 宿泊日数のカウント方法(1日=正午〜翌正午)
「宿泊日数」の数え方には一つ重要なルールがあります。住宅宿泊事業法の規定では、「正午から翌日の正午まで」を1日とカウントします。一般的な「チェックイン〜チェックアウト」のイメージで考えると少しずれが生じることがありますので注意が必要です。
たとえば「5月1日(月)の15時チェックイン〜5月3日(水)の10時チェックアウト」という予約の場合、5月1日正午〜5月2日正午(1日目)、5月2日正午〜5月3日正午(2日目)のように数えます。チェックアウトが5月3日10時ですが、5月3日の正午前に退室しているため5月3日は宿泊日数に算入しない、という考え方になります。
実際の運用では、OTA(Airbnb・Booking.comなど)の予約データの「宿泊日数」を参照するケースが多いですが、表示形式によっては数え方が異なる場合があります。現状を見ると、多くのホストは宿泊者名簿と照合しながら集計しており、名簿の在宿日数を基準にしている例が実務上は多いとされています。詳しい解釈については、物件所在地の都道府県担当課に確認することを推奨します。
② 宿泊者数・延べ宿泊者数の違い
「宿泊者数」と「延べ宿泊者数」は似て非なる数字です。
- 宿泊者数:報告期間中に実際に宿泊した人の実人数の合計。同じ人が連続して泊まった場合は1人と数えます(例:3名が5月1日から2泊した場合は3名)
- 延べ宿泊者数:報告期間中の全宿泊日の宿泊者数を合計した数(例:上記2日分 = 6名)
たとえば、2ヶ月間に合計10日間稼働し、各日3名が宿泊していたとすると、延べ宿泊者数は30名になります。1つの予約グループが複数泊した場合でも、1泊ごとに人数を計上する点に留意してください。
③ 国籍別内訳(日本+20の国・地域+その他)の集計方法
国籍別内訳は、日本・韓国・台湾・香港・中国・タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ベトナム・インド・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・ロシア・米国・カナダ・オーストラリアの21区分+その他(計22欄)で報告します(観光庁 民泊制度ポータル「電子宿泊者名簿・定期報告方法」のCSV形式、2026-10-15確認)。台湾・香港は国ではなく地域の区分です。
国籍の把握は、宿泊者名簿に記載されたパスポート情報が基準になります。住宅宿泊事業法施行規則第7条第3項では、宿泊者名簿の記載事項は宿泊者全員の氏名・住所・職業・宿泊日で、日本国内に住所を有しない外国人についてはこれに国籍・旅券番号が加わります。定期報告の国籍別内訳には「日本(日本国内に住所を有する者)」の欄があり、日本国内に住所がある外国籍の宿泊者もこの欄に数える扱いです(民泊制度ポータル「電子宿泊者名簿・定期報告方法」・参考様式、2026-10-15確認)。
外国人ゲストが多い場合は、OTAの予約プロフィールや名簿管理ツールのエクスポート機能を使って国籍ごとに集計しておくと、報告時の手間を大幅に削減できます。


稼働ゼロの月でも報告は必要なんでしょうか?
現状の運用では、宿泊者数ゼロの場合でも「0」として提出する必要があるとされています。「稼働がなかったから提出不要」とはならない点が実務上よく誤解されるポイントです。都道府県担当課に確認の上、ゼロ報告を忘れずに行いましょう。
- 同じ人が日を空けて2回泊まった場合、宿泊者数はそれぞれ1人と数えます(例:同じ人が6月に2泊、7月に3泊した場合は合計2人)。1人にまとめるのは、続けて泊まった場合だけです。
- 子どもや乳幼児も、宿泊者として1人に数えます。
- 同じ日に複数のグループが泊まっていても、宿泊日数は届出住宅ごとに1日と数えます。
- 国籍別の内訳は住所で分けます。日本国内に住所がある宿泊者は、外国籍の方も含めて「日本」欄に入れます。日本国内に住所がない宿泊者は、国籍ごとの欄に入れます(参考様式の欄名は「日本(日本国内に住所を有する者)」)。
- 当日キャンセル(no-show)や、宿泊サービスを提供する前に賃貸借契約を結んだ長期滞在(目安は1ヶ月以上。自治体が別の目安を設けている場合があります)は、届出先の自治体がその事実を認めれば日数に入れないとされています。宿泊の契約で泊まった期間が結果として1ヶ月を超えても、あとから賃貸借契約に切り替えることは認められていません。扱いは届出先の自治体に確認してください。
出典:観光庁 民泊制度ポータル「【別紙】定期報告に係る留意事項」・「【参考様式】住宅宿泊事業に係る定期報告」・「住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)」令和6年12月24日最終改正(2026-10-15確認)
定期報告の提出スケジュール|6回/年・偶数月15日締め
定期報告は2ヶ月ごと、年間6回行います。提出期限は偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の15日までです。この「偶数月15日」という締め日は、施行規則第12条に基づくものです。
年間6回の報告期間と対象期間の対応表
| 報告回 | 対象期間(前2ヶ月) | 提出期限 |
|---|---|---|
| 第1回(2月報告) | 12月1日〜1月31日 | 2月15日 |
| 第2回(4月報告) | 2月1日〜3月31日 | 4月15日 |
| 第3回(6月報告) | 4月1日〜5月31日 | 6月15日 |
| 第4回(8月報告) | 6月1日〜7月31日 | 8月15日 |
| 第5回(10月報告) | 8月1日〜9月30日 | 10月15日 |
| 第6回(12月報告) | 10月1日〜11月30日 | 12月15日 |
「第1回(2月報告)の対象期間が12月〜1月」という点が最初はわかりにくいかもしれませんが、「報告月の前2ヶ月を報告する」という仕組みです。たとえば、2026年6月15日に提出するのは2026年4月〜5月の実績です。
15日が土日祝日にあたる場合の取扱いは、都道府県の担当課により異なる場合があります。早めの提出を心がけるのが現実的です。
締め切りを過ぎた場合の対処
提出期限を過ぎてしまった場合、期限後であっても提出すること自体はシステム上可能とされています。ただし、未提出状態が続いた場合や虚偽の内容で提出した場合は罰則の対象になりうるため、気づいた段階でできる限り早急に提出することが重要です。
提出が遅延した背景や状況によっては、都道府県担当課への事前連絡・相談が望ましい場合もあります。「いつ・なぜ遅れたか」を自分でも記録しておくと、後日問い合わせがあった際に説明しやすくなります。


6月の報告は4〜5月分ということですか?4月開業の場合、最初の報告はいつになりますか?
そのとおりです。4月に開業した場合、4〜5月分を6月15日までに提出するのが最初の報告となります。開業月が奇数月でも同じルールが適用されますので、次の偶数月15日を目安に準備しましょう。詳細は都道府県担当課にご確認ください。
- 報告の遅れや内容の相談:届出先の自治体担当課。届出先は民泊制度ポータル「各自治体の情報・窓口」で確認できます。
- ログインできない・画面の操作がわからない:民泊制度コールセンター(0570-041-389。平日9時〜17時。ナビダイヤルのため通話料がかかります)
連絡する前に、次の内容をメモしておくと、やり取りが短く済みやすくなります。届出番号(「M」から始まる番号)、報告対象期間、未提出や誤りに気づいた日とその理由、手元の集計値(宿泊日数・宿泊者数・延べ宿泊者数・国籍別)、エラー画面の表示内容です。
住宅宿泊事業法施行要領では、報告がない場合、自治体が事業者に連絡して督促するとされています。連絡が取れず、現地の確認で事業の実態がないと分かった場合は、確認から30日が過ぎた時点で、事業が廃止されたものとみなしてよいとされています。自治体から連絡が来たら、早めに応じてください(施行要領 令和6年12月24日最終改正、2026-10-15確認)。命令や罰則の全体像は民泊 行政指導・業務停止命令 完全ガイドで整理しています。
提出方法①|民泊制度運営システム(電子申請)
定期報告の提出は、民泊制度運営システム(https://www.minpaku.mlit.go.jp/jigyo/login)を使ったオンライン申請が原則とされています。システムで届出をした場合は、そのときのユーザ名・パスワードでログインします。紙で届出をしてシステムを利用していない場合は、利用者登録をしたうえで「利用申込書」を自治体窓口に提出する手続が必要で、利用開始まで2〜3週間程度かかるとされています。初回の報告期限に間に合うよう、早めに準備してください。

ログイン手順
電子申請の基本的な流れは以下のとおりです。
- 民泊制度運営システム(https://www.minpaku.mlit.go.jp/jigyo/login)にアクセス
- 届出時に登録したID(事業者番号)とパスワードを入力してログイン
- 「定期報告」メニューを選択し、対象期間(例:2026年4月〜5月)を確認
- 各項目(宿泊日数・宿泊者数・延べ宿泊者数・国籍別内訳)を入力、または CSVをアップロード
- 入力内容を確認して送信
- 完了画面の表示、または受付番号の確認
IDやパスワードを忘れた場合は、民泊制度運営システムのログイン画面から再発行手続きを行います。再発行に数日かかる場合もあるため、期限直前ではなく余裕を持って対応することが現実的です。
直接入力 vs CSV アップロードの違い
民泊制度運営システムでは、直接入力とCSVアップロードの2種類の方法が選択できます。
| 方式 | 適した状況 | 特徴 |
|---|---|---|
| 直接入力 | 物件1〜2件、宿泊件数が少ない | 画面上のフォームに入力。操作が直感的 |
| CSVアップロード | 物件が多い、宿泊件数が多い | 所定フォーマットで一括提出。電子名簿ツールとの連動が可能 |
物件が1件のみで宿泊件数が月数件程度であれば、直接入力で十分です。複数物件を運営している場合や、PMS(物件管理システム)を使ってデータを一元管理しているケースでは、CSVアップロードを活用することで入力ミスを防ぎやすくなります。
CSVのフォーマットはシステム上で確認できます。列の並び順や国籍コードの入力形式が決まっているため、初回は必ずサンプルファイルをダウンロードして確認してから作成することを推奨します。
届出のときに使ったシステムと定期報告は同じアカウントで使えますか?
民泊制度運営システムは届出・変更届・定期報告・廃業届などを一元管理するシステムです。システムで届出をした場合は、同じユーザ名とパスワードで定期報告の画面にアクセスできます。紙で届出をした場合は、利用者登録と自治体への利用申込書の提出が必要で、利用開始まで2〜3週間程度かかるとされているため、早めの手続きが現実的です。ID情報は大切に保管しておきましょう。
- 画面から直接入力して登録すると、「実績報告登録完了通知」メールが届くとされています。このメールと報告内容の画面を、提出の控えとして保存しておくと、あとで確認を求められたときに説明しやすくなります。
- 入力を間違えた場合でも、報告期限(報告対象期間の翌月15日。例:4〜5月分は6月15日)までなら、「事業実績報告詳細」画面の「変更」ボタンから事業者自身で直せるとされています。修正したときは完了通知メールが届かないため、修正後の画面を控えておいてください。
- 期限を過ぎた場合や「変更」ボタンが表示されない場合は、届出先の自治体担当課に連絡して、必要な手続きを確認してください。同じ物件で、別の事業者の報告期間と重なっているときも「変更」ボタンは表示されません。
- 報告時期が近づくと、システムからリマインドメールが届く機能があります。ただし操作手順書は、メールが届くかどうかにかかわらず、事業者の責任で期限を管理するよう求めています。
出典:観光庁「民泊制度運営システム 住宅宿泊事業者向け 操作手順書」第2章第4節(2026-10-15確認)。システムの利用登録は住宅宿泊事業の届出申請 手順・流れ、集計のもとになる名簿の付け方は民泊の宿泊者名簿の書き方と管理方法で確認できます。
提出方法②|参考様式(紙・Excel)での提出
電子申請システムが使えない場合や、都道府県から別途指示がある場合には、参考様式による書面提出が認められています。参考様式は「住宅宿泊事業に係る定期報告」という名称でExcel形式が民泊制度ポータルの様式集ページに公開されています。
参考様式(Excel)の主な記載項目は以下のとおりです。
- 事業者名・届出番号・届出住宅の所在地
- 報告対象期間(例:2026年4月1日〜5月31日)
- 宿泊日数(日単位で記入)
- 宿泊者数・延べ宿泊者数
- 国籍別内訳(日本〔日本国内に住所を有する者〕+20の国・地域+その他〔具体的に記入〕)
書面での提出方法(郵送・持参・FAXなど)は都道府県によって異なります。電子申請が難しい場合は、事前に管轄の都道府県担当課に連絡して確認することを推奨します。
参考:様式のダウンロード先
民泊制度ポータル「様式集」ページ(https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/regulation.html)から「住宅宿泊事業に係る定期報告」のExcelファイルをダウンロードできます。
紙での提出では、記入漏れや計算ミスが生じやすいという実務上の課題があります。電子申請と比較して担当課での処理時間もかかる場合があるため、現状を見ると可能な限り電子申請システムを活用する方が望ましいとされています。
参考様式を使う場合、都道府県によって提出先が違うんですか?
書面提出の受付窓口や方法(郵送・持参・メール添付など)は届出先によって異なります。届出先は原則として都道府県ですが、保健所を設置する市や特別区のうち民泊の事務を担う市区では、その市区が窓口になります。民泊制度ポータルの「各自治体の情報・窓口」で届出先を確かめ、そのウェブサイトを確認するか電話で問い合わせるのが現実的です。
管理業者に委託している場合の注意点
住宅宿泊管理業者(いわゆる民泊運営代行業者)に物件の管理を委託しているホストは多いですが、定期報告の法的義務は委託後も事業者(物件オーナー)にあるという点が実務上の重要な確認事項です。
管理業者側も「定期報告は事業者がやること」と認識しているケースがあり、双方が「相手がやっている」と思い込んでいた結果、長期間にわたって未提出になっていた事例が報告されています。委託契約を締結する際には、以下の点を明確にしておくことが現実的です。
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 定期報告の代行が契約範囲に含まれているか | 委託契約書・業務委託一覧で確認 |
| 代行する場合、入力データの原本を誰が管理するか | 宿泊者名簿データの共有方法を書面で取り決める |
| 提出完了後に事業者へ報告(エビデンス共有)があるか | 完了通知メール・スクリーンショット送付を依頼 |
| システムへのアクセス権(ID管理)は誰が持つか | 事業者が副IDを持つ、または定期的に出力データを受領する |
管理業者への丸投げは避け、提出後に「完了の確認」をする仕組みを設けておくことが実務上は重要です。万が一未提出が発覚した場合に行政指導を受けるのは事業者本人です。管理業者が対応できない状況が生じた場合に備えて、事業者自身もシステムへのログイン方法を把握しておくことを推奨します。
また、住宅宿泊管理業者自体が定期報告の義務を直接担う仕組みではないことも理解しておく必要があります。管理業者は住宅宿泊事業法第3章(住宅宿泊管理業)に基づく義務を負い、同法第40条では管理業者から住宅宿泊事業者への定期的な報告も定められていますが、都道府県知事等への定期報告(第14条)は住宅宿泊事業者を対象とした義務です。法的な責任の帰属について疑問がある場合は、民泊専門の行政書士や都道府県担当課にご確認ください。
管理業者が報告をしてくれなかった場合、罰則を受けるのは誰ですか?
現状の法律では、罰則の対象は届出住宅宿泊事業者(物件オーナー)です。管理業者との委託関係は民事上の問題となり、損害賠償請求の対象になる可能性はあります。ただし、詳細は法律の専門家にご確認ください。
罰則と行政指導|30万円以下の罰金と立入検査
定期報告に関する罰則は、民泊制度ポータルの「罰則・留意事項」ページに明示されています。
| 違反内容 | 根拠条文 | 罰則・措置 |
|---|---|---|
| 定期報告の未提出 | 住宅宿泊事業法第14条 | 30万円以下の罰金 |
| 虚偽の内容で報告 | 住宅宿泊事業法第14条 | 30万円以下の罰金 |
| 立入検査への非協力・拒否 | 住宅宿泊事業法第17条第1項(罰則は第76条第5号) | 30万円以下の罰金 |
| 都道府県知事による改善命令違反 | 住宅宿泊事業法第15条(罰則は第76条第4号) | 30万円以下の罰金。あわせて業務停止命令(第16条第1項)・業務廃止命令(同条第2項)の対象になる可能性 |
実務上の流れとしては、いきなり罰金が科されるのではなく、まず都道府県等から督促などの連絡や指導が行われ、改善されない場合に業務改善命令(法第15条)が出されることがあるとされています。ただし、指導・命令に従わない場合や悪質と判断された場合には、業務停止命令・業務廃止命令(法第16条)や罰則(未報告・虚偽報告は法第76条で30万円以下の罰金、業務停止命令・業務廃止命令への違反は法第73条)といった措置につながる可能性があります。
「うっかり忘れていた」「管理業者に任せていた」という状況でも、法的には事業者の責任です。特に虚偽報告(実際より少ない日数で申告するなど)は悪質と見なされやすく、行政指導を超えた措置に至る可能性がより高いとされています。
罰則の具体的な適用判断は各都道府県の運用によって異なる部分があります。「自分のケースはどうなのか」という個別の判断は、物件所在地の都道府県担当課、または民泊専門の行政書士にご確認ください。
1回提出を忘れただけで、すぐ罰金になるわけではないですよね?
実務上は行政指導が先行することが多いとされています。ただし都道府県の判断次第で対応は異なりますし、繰り返しの未提出は悪質と見なされる可能性があります。気づいた段階で速やかに提出し、必要に応じて担当課に相談するのが現実的な対応です。
定期報告を漏れなく行うための実務テクニック
定期報告は年6回・2ヶ月ごとという周期のため、「次はいつだったか」を忘れやすいのが実態です。ここでは、ミスなく提出を続けるための実務的なアプローチを紹介します。
カレンダーにリマインダーを設定する
もっとも基本的な対策は、年間6回の提出期限をカレンダーアプリに登録しておくことです。Google カレンダーや Apple カレンダーであれば、毎年繰り返すリマインダーとして設定できます。
推奨のリマインダー設定例は以下のとおりです。
| タイミング | 目的 |
|---|---|
| 偶数月 1日(月初) | 「今月15日が定期報告の締め切り」の早期気づきアラート |
| 偶数月 10日 | 宿泊者名簿の集計・入力準備の確認アラート |
| 偶数月 13日 | 最終提出チェック(期限2日前) |
「180日カレンダー」とあわせて管理すると、稼働日数の上限管理と報告スケジュールの両方を把握しやすくなります。民泊学校の180日カレンダーツールを活用すると、稼働日数の残数確認と合わせてスケジュール管理がしやすくなります。
宿泊者名簿との連動(電子名簿CSVの活用)
定期報告に必要な数値(宿泊日数・宿泊者数・国籍別)は、宿泊者名簿の記録からそのまま集計できます。名簿管理ツールや PMS(物件管理システム)を活用している場合は、CSV エクスポートして集計すると手作業のミスを防ぎやすくなります。
電子名簿を活用する場合、2ヶ月分のデータを抽出 → 国籍別に集計 → 宿泊日数・延べ宿泊者数を集計という順で進めると整理しやすいです。この手順に沿ったスプレッドシートテンプレートを自作しておくと、次回からの作業時間を大幅に短縮できます。
特に外国人ゲストが多い物件では、国籍別の集計に時間がかかることがあります。宿泊者名簿に「国籍」欄を設け、チェックイン時に記録する習慣を整えておくことが、報告時の手間を減らす現実的な方法です。
宿泊者名簿の正確な管理方法・電子化の要件については、物件所在地の都道府県担当課で確認することを推奨します。電子名簿の保存形式・閲覧対応などについても都道府県によって取扱いが異なる場合があります。
OTAのダッシュボードのデータをそのまま定期報告に使えますか?
OTAのデータは参考にできますが、宿泊日数のカウント方法がOTAと法令上の定義でずれる場合があります。原則として法令上の定義(正午〜翌正午)に基づいた宿泊者名簿の記録から集計するのが実務上の正しいアプローチです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 定期報告は住宅宿泊事業(民泊届出)以外の民泊にも必要ですか?
住宅宿泊事業法に基づく届出(いわゆる民泊届出)を行った事業者に対して義務付けられています。旅館業法に基づく許可(民泊旅館業)や国家戦略特別区域の特区民泊では異なる報告・申告制度が適用される場合があります。ご自身の許認可の種類を確認の上、該当の制度の窓口にお問い合わせください。
Q2. 定期報告の提出期限が土日祝日にあたる場合はどうなりますか?
電子申請システムは土日祝日でも利用可能とされていますが、期限の取扱い(翌営業日への繰り越し等)については都道府県によって異なる場合があります。余裕を持って期限前日までに提出しておくのが現実的な対応です。
Q3. 定期報告の提出後に入力ミスに気づいた場合、修正はできますか?
観光庁の「定期報告に関するQA」では、一度報告した事業実績は事業者による修正や上書きができないとされています(2026-10-15確認)。修正の手続きは届出先の自治体の運用によるため、誤記に気づいた段階で速やかに物件所在地の都道府県担当課に連絡して指示を仰ぐことを推奨します。
Q4. 複数の物件(届出住宅)を持っている場合、報告は物件ごとに必要ですか?
はい、届出住宅ごとに報告が必要です。同一事業者が複数の物件を届け出ている場合、それぞれの物件について個別に定期報告を行う必要があります。民泊制度運営システムでは物件(届出番号)ごとに入力する仕組みになっています。CSVアップロードを活用すると複数物件の一括提出がしやすくなります。
Q5. 国籍が不明なゲストがいた場合、国籍別内訳はどう記入しますか?
宿泊者名簿で国籍と旅券番号の記載が求められているのは、日本国内に住所を有しない外国人宿泊者です(施行規則第7条第3項)。この方々には旅券の呈示を求め、写しを名簿とともに保存することが施行要領で求められています。日本国内に住所がある宿泊者は、国籍別内訳では「日本」の欄に計上する扱いです。確認できなかった場合の扱いについては、物件所在地の都道府県担当課にご相談ください。
Q6. 廃業届を出した後も定期報告は必要ですか?
廃業届が受理された以降の期間については報告義務が発生しませんが、廃業前の未報告期間がある場合は提出が求められることがあります。廃業のタイミングと最後の報告期間の扱いは、都道府県担当課に確認することを推奨します。
Q7. 定期報告のデータは何年間保管する義務がありますか?
定期報告そのものの保管義務について住宅宿泊事業法に明示的な期間規定はありませんが、宿泊者名簿は法令上3年間の保存が義務付けられています。提出した定期報告のコピーや受付完了の記録は宿泊者名簿と同様に3年以上保管しておくことが実務上望ましいとされています。詳細は都道府県担当課または民泊専門の行政書士にご確認ください。


まとめ|定期報告チェックリスト
住宅宿泊事業の定期報告は、届出後も継続的に発生する法的義務です。「出し忘れた」「管理業者に任せたつもりだった」という理由であっても責任は事業者にあります。本記事の内容を参考に、定期報告をミスなく続けるための体制を整えましょう。
定期報告 実務チェックリスト
- 届出住宅の届出番号・民泊制度運営システムのID・パスワードを把握している
- 偶数月15日(2/4/6/8/10/12月)をカレンダーにリマインダー登録した
- 宿泊者名簿に「国籍」欄があり、チェックイン時に記録している
- 報告4項目(宿泊日数・宿泊者数・延べ宿泊者数・国籍別内訳)の計算方法を理解した
- 管理業者に委託している場合、代行範囲を契約書で確認した
- 稼働ゼロの期間でも「ゼロ報告」が必要だと認識した
- 提出期限を過ぎた場合の連絡先(都道府県担当課)を把握している
- 提出完了後のスクリーンショットまたは受付番号を記録している
制度の詳細や個別のケースへの対応については、物件所在地の都道府県担当課または民泊専門の行政書士にご相談ください。最終的なご判断は公式情報および担当機関にてご確認いただくことを強く推奨します。
定期報告と合わせて確認しておきたいのが180日の稼働上限の管理です。民泊学校では、稼働日数を可視化する180日カレンダーツールを無料で提供しています。
本記事が参照した公式情報(2026-09-11 確認)
(2026-10-15 確認)
厚生労働省(健康・生活衛生局)・国土交通省(不動産・建設経済局/住宅局)・観光庁の連名。平成29年12月26日策定、最終改正 令和6年12月24日。届出の要件、宿泊者名簿、本人確認、標識、年間提供日数の算定など制度面の根拠。
(2026-09-11 確認)
届出の手順・必要書類・民泊制度運営システムの使い方。
(2026-09-11 確認)
自治体ごとの窓口・条例の有無。区域や期間の制限は自治体条例で異なるため、最終確認先。
(2026-09-11 確認)
「旅館業における衛生等管理要領」は平成12年の基本通知(生衛発第1811号)別添3が本体で、本PDFはその直近改正。単一の完全版は公表されていないため基本通知+累次改正で読む。
(2026-09-11 確認)
月別・年別の訪日外客数。国籍別・目的別の内訳。
(2026-09-11 確認)
延べ宿泊者数・客室稼働率などの公式統計。
📋 ご確認ください(民泊学校 編集部より)
⚠️ 本記事は2026年5月時点の制度を解説しています。住宅宿泊事業法・施行規則は改正される可能性があります。最新情報は必ず民泊制度ポータルでご確認ください。
本記事は 2026-05-20 時点で公開されている公式情報をもとに編集しています。定期報告の手続きや提出先は自治体によって異なる場合があります。最終的なご確認は都道府県担当課または民泊制度ポータルで行ってください。
- 定期報告: 民泊制度ポータルサイト / 物件所在地の都道府県担当課
- 届出・手続き代行: 民泊専門の行政書士
本記事の情報は予告なく変更される可能性があります。掲載情報の利用により生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。










