民泊ゲスト審査・本人確認 完全ガイド 2026年版|外国人旅券確認義務・Airbnb設定・不審ゲスト対処まで解説
編集: 民泊学校 編集部 | 最終更新日: 2026-05-20
民泊を運営するにあたって「ゲスト審査」は、単なる任意の確認作業ではありません。住宅宿泊事業法・旅館業法・特区民泊のいずれの制度で運営する場合でも、宿泊者名簿の作成と一定の本人確認が法的に義務付けられています。同時に、Airbnbをはじめとするプラットフォームには独自の差別禁止ポリシーがあり、ゲスト審査の設定を誤ると規約違反になるリスクもあります。「安全を守りたい」気持ちと「差別にならないよう適切に運営したい」気持ち、この2つのゴールをどう両立するかが、現代の民泊ホストに問われている実務課題です。この記事では、法的義務・プラットフォーム設定・不審ゲストへの対処まで、実務に即した形で整理します。
この記事でわかること
- 住宅宿泊事業法と旅館業法で宿泊者名簿の記載事項が異なる点(制度別の比較表あり)
- 外国人ゲストの旅券確認が必要な人・不要な人の区別(在日外国人の扱いを含む)
- Airbnbのプラットフォーム側本人確認システムの仕組み
- 即時予約とリクエスト予約の違いとゲスト要件の設定方法
- 差別禁止ポリシーに違反せずゲストを審査する考え方
- 旅館業法令和5年改正後の宿泊拒否制限と正当事由の境界線
- 不審なゲスト・パーティー問題への実務的な対処方法

Contents
- 1 宿泊者名簿と本人確認義務:住宅宿泊事業法 vs 旅館業法 vs 特区民泊
- 2 外国人ゲストの旅券確認:誰が対象か(在日外国人は不要)
- 3 Airbnbのゲスト本人確認システム:プラットフォーム側の確認
- 4 即時予約とリクエスト予約:ゲスト審査の設定方法
- 5 ホストが設定できるゲスト要件の範囲と差別禁止ポリシーの境界線
- 6 不審なゲストの見分け方と対処の実務
- 7 旅館業法の宿泊拒否制限(令和5年改正):正当事由の境界線
- 8 パーティー・多人数問題への対処:ハウスルール設定の実務
- 9 ゲスト審査・本人確認での典型的な失敗例5選
- 10 よくある質問(FAQ)
- 10.1 Q1. 宿泊者名簿はどのような形式で保管すればよいですか?
- 10.2 Q2. チェックインがセルフの場合、旅券確認はどうすればよいですか?
- 10.3 Q3. Airbnb本人確認済みのゲストは信頼できますか?
- 10.4 Q4. 住宅宿泊事業法と旅館業法では、名簿の「職業」記載の扱いが違うとのことですが、住宅宿泊事業の場合は実際にどう確認すればよいですか?
- 10.5 Q5. ゲストが宿泊中にルール違反をした場合、Airbnbを通さずに直接警告を出してもよいですか?
- 10.6 Q6. 民泊と旅館業を兼用している物件の場合、名簿はどうなりますか?
- 10.7 Q7. 不審なゲストについて、事後にAirbnbにレビューで警告を書いてもよいですか?
- 11 まとめ:安全なゲスト管理の2本柱
宿泊者名簿と本人確認義務:住宅宿泊事業法 vs 旅館業法 vs 特区民泊
民泊ホストが最初に押さえるべきなのは「宿泊者名簿の記載義務は制度によって異なる」という点です。住宅宿泊事業法・旅館業法・特区民泊(国家戦略特別区域法に基づく外国人滞在施設経営事業)の3制度で、名簿に記載すべき事項も、確認方法も細部が異なります。一括りに「民泊の本人確認」と語ると誤解を招くため、ここでは制度別に整理します。
民泊制度ポータルサイト「事業者の業務」(2026-05-20取得)
住宅宿泊事業法に基づく宿泊者名簿の作成義務・旅券確認義務の詳細が記載されている
大阪府「宿泊者名簿の記載徹底について」(2026-05-20取得)
3法律(住宅宿泊事業法・旅館業法・特区民泊)の記載事項比較表が掲載されており、令和5年12月改正反映済み
3制度の宿泊者名簿 記載事項比較表
| 記載事項 | 住宅宿泊事業法 | 旅館業法(令和5年12月改正後) | 特区民泊(国家戦略特区) |
|---|---|---|---|
| 氏名 | 必須 | 必須 | 必須 |
| 住所 | 必須 | 必須 | 必須 |
| 連絡先(電話番号等) | 規定なし | 追加(改正後) | 規定なし |
| 職業 | 必須 | 削除(改正後) | 規定なし |
| 宿泊日 | 必須 | 必須 | 必須 |
| 国籍(外国人の場合) | 必須 | 必須 | 必須 |
| 旅券番号(外国人の場合) | 必須 | 必須 | 必須 |
| 名簿保存期間 | 3年間 | 3年間 | 3年間 |
重要な差分として、「職業」欄の扱いがあります。住宅宿泊事業法では宿泊者の職業記載が求められていますが、旅館業法は令和5年12月13日の改正施行により職業欄が削除され、代わりに連絡先の記載が追加されました。自分が運営する制度の枠組みに応じて、名簿の書式を分けて管理することが実務上の現実的な対応です。
名簿の保存義務は3制度共通で3年間です。紙・電子データどちらでも可とされていますが、行政の立入検査に対応できる状態で保管しておく必要があります。Airbnbの予約履歴やメッセージ記録だけでは対応しきれない場合があるため、ホスト側で別途記録を整備することが求められます。
注意点 旅館業法は令和5年12月改正で職業欄削除・連絡先追加が行われています。改正前の書式をそのまま使い続けている場合は書式の更新が必要です。最新の書式は所管の自治体(保健所等)に確認することを推奨します。
住宅宿泊事業で運営していますが、名簿に職業も書いてもらう必要がありますか?
住宅宿泊事業法では現状、職業の記載が求められています。一方、旅館業法は令和5年12月の改正で職業欄が削除されました。運営制度を確認したうえで、対応する書式を使い分けることが現実的な対応です。詳細は管轄自治体にご確認ください。
外国人ゲストの旅券確認:誰が対象か(在日外国人は不要)
外国人ゲストへの対応で、ホストが最も混乱しやすいのが「旅券(パスポート)確認が必要な人と不要な人の区別」です。結論を先に述べると、「日本国内に住所を有する外国人」は旅券確認の対象外です。すなわち、在日外国人・永住者・日本に住民登録がある外国籍の方は、日本人と同様の扱いとなり、旅券の呈示を求める必要はありません。
厚生労働省「外国人宿泊者 旅券呈示多言語案内」(2026-05-20取得)
日本国内に住所を有する外国人は旅券確認不要であることが明記されている。英語・中国語・韓国語等の多言語での説明文も提供されている
旅券確認の要否 判断フロー
| ゲストの属性 | 旅券確認の要否 | 補足 |
|---|---|---|
| 日本国籍者 | 不要 | 住所・氏名の確認のみ |
| 日本国内に住所を有する外国人(在日外国人・永住者等) | 不要 | 日本人と同様の扱い。住所・氏名の確認のみ |
| 日本国外に居住する外国人(インバウンド旅行者等) | 要 | 旅券を呈示してもらい、国籍・旅券番号を名簿に記載する |
旅券の確認方法については、原本の呈示が原則です。チェックイン時に目視確認するか、セルフチェックイン環境の場合はオンラインでの旅券画像送付などが現実的な選択肢として取られているケースが多いです。ただし、具体的な確認方法の適切性については、管轄する自治体への確認を推奨します。
旅券呈示を拒否された場合の対応についても、民泊制度ポータルに記載があります。「国の指導による旨を説明し、なお拒否する場合は警察署に連絡する」という対応が示されています。ただし、実際に警察への連絡が必要な状況になる前に、呈示の必要性をわかりやすく説明できる準備(多言語案内の活用など)が現実的な対応です。
民泊制度ポータルサイト「事業者の業務」(旅券確認義務)(2026-05-20取得)
呈示拒否時は「国の指導による旨を説明し、なお拒否する場合は警察署に連絡」という対応が明記されている
誤解注意 「外国人が来たら全員パスポートを見せてもらう」というのは誤りです。在日外国人・永住者など日本国内に住所を有する外国人は確認不要です。不必要に旅券を要求することは、後述する差別禁止ポリシーとの関係でも問題が生じる可能性があります。
実務上の確認として、厚生労働省が提供している多言語案内(英語・中国語・韓国語等)を活用することで、旅券確認の必要性をゲストに丁寧に伝えることができます。ウェルカムブックやチェックインメッセージに組み込んでおくことで、チェックイン時のトラブルを軽減できます。
日本に住んでいる外国籍のゲストが来た場合、パスポートは確認しなくていいのでしょうか?
「日本国内に住所を有する外国人」はパスポート確認の対象外です。在日外国人・永住者などは日本人と同様に住所・氏名の確認のみで対応できます。旅行で来日した外国人(日本国外居住者)のみが旅券確認の対象となります。
Airbnbのゲスト本人確認システム:プラットフォーム側の確認
Airbnbでは、プラットフォーム独自のゲスト本人確認システムが設けられています。法的な宿泊者名簿記載義務とは別に、予約前にAirbnb側が実施する本人確認として理解しておくことが重要です。
Airbnb「本人確認について」(2026-05-20取得)
政府発行の身分証明書+自撮り写真の提出が求められ、通常1時間以内に確認が完了するとされている
Airbnbの本人確認プロセス
Airbnbの本人確認は、大きく以下の2つの要素で構成されています。
- 政府発行の身分証明書の提出:パスポート・運転免許証・その他政府発行IDのいずれかをAirbnbシステムに提出する。
- 自撮り写真(セルフィー)との照合:提出した身分証の顔写真と、リアルタイムで撮影した自撮り写真を照合し、同一人物であることを確認する。
この確認は通常1時間以内に完了するとされており、確認済みゲストにはプロフィールに「本人確認済み」バッジが付与されます。ホスト側がゲストの予約を受け入れる際、このバッジの有無を参考にすることができます。
注意すべき点は、AirbnbのID確認はあくまでAirbnbが実施するプラットフォーム側の確認であり、法令上の宿泊者名簿記載義務を代替するものではないという点です。Airbnb本人確認済みであっても、ホスト自身が宿泊者名簿を作成・保存する義務は別途存在します。
セルフチェックイン時の実務的な対応
スマートロックなどを使ったセルフチェックイン運営の場合、チェックイン時にホストが直接ゲストと対面して旅券確認することが難しい状況が多くなっています。実務上は以下のような対応が取られるケースがあります。
- チェックイン前に予約者にメッセージで旅券の写真送付を依頼し、名簿に転記する。
- チェックイン時にスマートロックのアプリ経由でゲストIDの確認URLを案内する。
- 宿泊管理システム(PMS)と連携したオンライン本人確認サービスを活用する。
ただし、これらの方法が法的要件を満たすかどうかの判断は自治体によって異なる場合があります。具体的な確認方法の適切性については、物件所在地の自治体担当課(住宅宿泊事業の場合は都道府県または市区町村)に事前に相談しておくことを推奨します。

Airbnbが本人確認済みであれば、宿泊者名簿は作らなくてもよいのでしょうか?
Airbnbの確認はプラットフォーム独自のものです。法令上の宿泊者名簿(住宅宿泊事業法などに基づく)はホスト自身が別途作成・3年保存する義務があります。どちらか一方で済むわけではありませんので、ご注意ください。
即時予約とリクエスト予約:ゲスト審査の設定方法
Airbnbには「今すぐ予約(即時予約)」と「リクエスト予約」の2つの予約受付方式があります。どちらを選ぶかによって、ゲスト審査の手厚さと予約獲得のしやすさのバランスが変わります。
Airbnb「今すぐ予約(即時予約)とは?」(2026-05-20取得)
即時予約とリクエスト予約の違い、ゲスト要件(身分証確認・良好レビュー等)をホストが設定できる仕組みの説明が記載されている
即時予約 vs リクエスト予約 比較
| 項目 | 即時予約(今すぐ予約) | リクエスト予約 |
|---|---|---|
| 予約確定のタイミング | ゲストが予約ボタンを押した時点で自動確定 | ホストが24時間以内に承認して確定 |
| ホストの審査機会 | 予約後のメッセージで確認(事前設定要件あり) | 予約前にプロフィール・メッセージを確認してから判断可能 |
| 予約獲得率 | 高い(ゲストが予約しやすい) | やや低くなる傾向 |
| ゲスト要件の設定 | 「本人確認済み」「良好なレビュー」等の条件付けが可能 | 個別判断のため柔軟性が高い |
| Airbnbの推奨 | 検索上位表示の優遇あり | 特別な優遇なし |
即時予約でのゲスト要件設定
即時予約を使う場合でも、ホストはゲストに対して一定の要件を設定できます。Airbnbの設定画面で選択できる代表的な要件は以下のとおりです。
- 政府発行の身分証(本人確認)の完了:Airbnb上で本人確認済みのゲストのみ受け付ける
- 良好なレビュー履歴:過去に問題のある評価を受けていないゲストのみを対象にする
- ホスト推奨ゲスト:他のホストからのポジティブな評価があるゲストに限定する
これらの要件を設定することで、即時予約の利便性を保ちつつ、一定のゲスト品質を担保することが現実的に可能です。ただし、要件を厳しくすれば当然、予約数は減少する傾向があります。物件の立地・ターゲット層・競合環境を踏まえて、どの要件を設定するか検討することを推奨します。
実務上のポイント
初期のゲスト基盤構築段階では「本人確認済み」の1要件だけ設定するケースが多くみられます。レビュー数が増えてきた段階で「良好なレビュー」の要件を追加するのが、段階的なアプローチとして現実的な順序です。
即時予約とリクエスト予約、審査を重視するならどちらがよいですか?
ここは2案あります。審査を重視するならリクエスト予約が柔軟に対応できます。予約獲得率を維持しつつ一定の審査も行いたい場合は、即時予約に「本人確認済み」などのゲスト要件を組み合わせる方法が現実的な選択肢です。
ホストが設定できるゲスト要件の範囲と差別禁止ポリシーの境界線
ゲスト審査において、ホストが「このゲストは受け入れたくない」と感じる場面は当然あります。ただし、Airbnbには差別禁止ポリシーが存在し、特定の属性を理由とした拒否はプラットフォーム規約違反となります。「安全のための審査」と「差別的な拒否」の境界線を正確に理解しておくことが、ホストにとって不可欠です。
Airbnb「差別禁止ポリシー」(2026-05-20取得)
保護対象特性13項目が明記されており、国籍・出身国を理由とした拒否が禁止されている(2026年3月24日更新)
Airbnb差別禁止ポリシーの保護対象特性(13項目)
| カテゴリ | 保護対象の特性(一部抜粋) |
|---|---|
| 国籍・出身 | 国籍・出身国・民族的出身 |
| 人種・属性 | 人種・肌の色・宗教 |
| 性別・性的指向 | 性別・性的指向・性自認 |
| 身体的特性 | 障害・年齢 |
| 家族構成 | 婚姻・家族の状況(子供の同伴など) |
これらの特性を理由としてゲストの予約を断ることは、Airbnbの規約違反となり、最悪の場合、ホストとしてのアカウント停止につながります。
「安全のための審査」と「差別的な拒否」の違い
差別禁止ポリシーが存在する一方で、安全性を理由とした正当なゲスト要件の設定は認められています。重要なのは「属性ではなく行動・リスクに基づいた判断である」という点です。
| 判断の基準 | 許容される審査の例 | 認められない拒否の例 |
|---|---|---|
| 本人確認の有無 | 「Airbnb本人確認未完了のゲストは受け付けない」 | 「外国籍だから受け付けない」 |
| 過去のレビュー・行動履歴 | 「低評価またはルール違反履歴のあるゲストは断る」 | 「◯◯国出身だから断る」 |
| ハウスルールへの同意 | 「禁煙・ペット不可ルールへの同意が確認できない場合は断る」 | 「特定の宗教を信仰しているから断る」 |
| 宿泊人数の整合性 | 「定員を超える人数での予約申請を断る」 | 「子連れだから断る」 |
実務上の観点から整理すると、「なぜ断るのか」の理由が「この人の属性」ではなく「この人の行動・リスク・条件への非適合」に基づいていれば、正当な審査として認められるケースが多いです。ただし、個別のケースの判断については最終的にAirbnbのポリシー判断となるため、不明な点はAirbnbサポートに確認することを推奨します。
外国人ゲストをすべて断ることはできますか?
国籍・出身国を理由とした拒否はAirbnbの差別禁止ポリシーに抵触するリスクがあります。旅館業法でも外国人を理由とした宿泊拒否は違反事由に当たるとされています。「本人確認未完了」「ルール違反履歴あり」などの行動ベースの理由なら審査は認められています。
不審なゲストの見分け方と対処の実務
差別禁止ポリシーへの配慮を前提としたうえで、ホストが「このゲストは受け入れに慎重になるべき」と判断できる実務的なシグナルがあります。属性ではなく、コミュニケーションの中に現れる行動・言動のパターンに着目することが重要です。
Airbnb「ゲストに違和感を感じた場合の対処方法」(2026-05-20取得)
予約前キャンセル・不審なメッセージの報告方法・緊急時は現地警察へという対応手順が記載されている
注意すべき行動・コミュニケーションのシグナル
- 宿泊目的に関する不自然な回答・回避:「何のための宿泊ですか?」という質問に対して明確な回答を避けたり、あいまいな返答を繰り返す場合。
- 宿泊人数の食い違い:予約時の人数と「友人も来る」「もう1人増える」などのメッセージが後から来る場合。定員を大幅に超える人数を招待しようとしている可能性があります。
- ハウスルールへの反発:禁煙・パーティー禁止・騒音制限などのルールに対して否定的な反応を示す場合。
- 地元在住者からの近隣宿泊依頼:プロフィールの住所が物件と同じ市区町村の場合、本来の自宅を使えない事情がある可能性があり、問題のある利用につながるケースが見られます。
- プロフィールが空白・本人確認未完了:プロフィール写真なし、自己紹介ゼロ、レビュー履歴ゼロの組み合わせ。
- チェックイン直前の急な予約:当日または翌日の急な予約に加えて、上記のシグナルが重なる場合は注意が必要です。
予約前に断る場合の対応
リクエスト予約の場合、ホストはゲストの予約を断る権利があります。ただし、断る理由が差別禁止ポリシーに抵触しないように注意が必要です。
- 理由として伝える際は「他の予約が入っています」「この期間は施設のメンテナンスで対応困難です」など、属性に言及しない表現を使う。
- 疑問点がある場合は、まずゲストにメッセージで確認してから判断する。
- 即時予約の場合は、チェックイン前に重大な懸念がある場合、Airbnbサポートに相談することができます。
不審なメッセージ・状況への報告方法
Airbnbのメッセージシステム内で不審なメッセージを受け取った場合や、ゲストの行動に問題があると感じた場合は、Airbnbの「報告」機能を使って報告できます。緊急の安全に関わる状況(物件への不正侵入・脅迫・犯罪行為等)については、まず現地警察への連絡が最優先です。
行政書士や弁護士への相談が必要なケース(ゲストとのトラブルが法的問題に発展しそうな場合)については、早期に専門家に相談することを推奨します。
予約メッセージを見て「なんとなく怪しい」と感じた場合、断ってもいいのでしょうか?
リクエスト予約であれば、安全上の懸念がある場合に断ること自体は認められています。ただし、断る理由が差別禁止ポリシーの保護対象特性(国籍・宗教・人種など)に基づいていないことが重要です。行動ベースの懸念として説明できるかどうかを確認してから判断することを推奨します。
旅館業法の宿泊拒否制限(令和5年改正):正当事由の境界線
旅館業法(第5条)は、宿泊施設が宿泊を拒否できる事由を制限しています。令和5年12月の改正で、この規定が整理・明確化されました。旅館業で民泊を運営している方にとって、この規定の内容を把握しておくことは法的コンプライアンスの観点から重要です。
厚生労働省「宿泊拒否制限(旅館業法第5条)」(2026-05-20取得)
宿泊を拒否できる正当事由の一覧が整理されている。外国人であることを理由とした拒否は旅館業法上の違反事由に当たるとされている
厚生労働省「旅館業法改正ポータル」(2026-05-20取得)
令和5年12月13日施行の改正内容全体。カスハラ(カスタマーハラスメント)対応の宿泊拒否可能化・宿泊者名簿の改正(連絡先追加・職業削除)が含まれる
旅館業法の宿泊拒否 正当事由と認められないケース
| 区分 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 拒否できるケース(正当事由) |
・宿泊施設が満室の場合 ・宿泊者が伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められる場合 ・宿泊者が他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼすおそれがある場合(暴力的言動・脅迫・著しい迷惑行為等) ・施設の設備等の故障等のやむを得ない事情がある場合 ・宿泊者が暴力団員等であることが明らかな場合 ・令和5年改正追加:カスタマーハラスメント(著しく不当な要求等)に当たる行為がある場合 |
| 拒否できないケース(違反事由) |
・外国人であることを理由とした拒否 ・人種・国籍・信条・性別等を理由とした差別的な拒否 ・宗教を理由とした拒否 ・障害を理由とした拒否(合理的配慮の範囲内での対応が必要) |
令和5年12月改正のポイントとして、カスタマーハラスメント(カスハラ)に相当する行為があった場合に宿泊拒否が認められるようになりました。これは現場での迷惑行為・暴力的言動・著しく不当な要求等に対して、宿泊施設側が自衛できる法的根拠が整備されたことを意味します。
重要注意事項 旅館業法の宿泊拒否規定は、住宅宿泊事業(民泊)に直接適用されるものではありません。住宅宿泊事業法には明示的な宿泊拒否制限規定は設けられていませんが、差別禁止の観点・Airbnbポリシーの適用・関連法令との整合は別途考慮が必要です。自分が運営する制度の枠組みと、物件所在地の自治体ルールを確認したうえで対応方針を決めることを推奨します。
令和5年の改正で何が変わったか、一言でまとめるとどうなりますか?
「宿泊者名簿から職業欄削除・連絡先追加」という書式変更と、「カスハラ行為による拒否可能化」という施設側の権限強化が主な変更点です。外国人を理由とした拒否は引き続き違反となります。詳細は行政書士に確認されることをお勧めします。
パーティー・多人数問題への対処:ハウスルール設定の実務
民泊ホストが経験するトラブルの中で、「予約時の人数より多い人が来た」「パーティーが開かれた」「深夜の騒音で近隣から苦情が来た」という問題は少なくありません。これらに対処するための事前設定と、実際に問題が発生した場合の対応フローを整理します。
事前設定:ハウスルールに明記すべき項目
Airbnbのハウスルール設定では、以下の項目を明記することで、問題のある利用を事前に抑止する効果が期待できます。
- パーティー・イベントの禁止:Airbnbには「パーティー禁止」の専用設定があります。これをオンにすることで、プラットフォームレベルでパーティー目的の利用を制限できます。
- 宿泊人数の厳格な設定:「予約時の人数のみ宿泊可能。追加の人物を招待することは禁止」と明記する。
- 騒音・静粛時間の設定:「午後◯時以降は騒音禁止」など、具体的な時間帯と内容を明示する。
- 地元在住者の利用制限:Airbnbには「近くに住んでいる場合はリクエスト前に連絡を」という案内を追加できます。
- 喫煙・ペットの可否:明確に記載しておくことで、チェックイン後のトラブルを防止できます。
宿泊中に問題が発生した場合の対応フロー
| ステップ | 対応内容 |
|---|---|
| 1. 状況の確認 | Airbnbのメッセージ経由でゲストに状況を確認する(記録が残るため) |
| 2. ルール再説明 | ハウスルールへの違反を具体的に指摘し、是正を求める |
| 3. Airbnbサポートへの連絡 | 改善されない場合、Airbnbサポートに状況を報告し、対応を依頼する |
| 4. 警察・行政への連絡 | 騒音・不法侵入・暴力的行為等の緊急時は現地警察へ。騒音が続く場合は自治体相談窓口も活用 |
| 5. 損害賠償請求 | 物件の損害は、AirCover(Airbnbの補償制度)経由で請求できる(要チェックイン前後の記録写真) |
近隣住民からの苦情に対応する際は、騒音センサーの設置が有効なケースがあります。騒音の客観的な記録が残ることで、ゲストへの説明・Airbnbへの報告・行政への説明のいずれにも活用できます。ただし、センサーの設置場所(居住スペースへの設置は不可)については、プライバシーに配慮した設置ルールを確認したうえで実施することを推奨します。
チェックインしたら予約人数より多くの人が来ていた。どうすればよいですか?
まずAirbnbのメッセージ経由で記録を残しつつ、ハウスルール違反として是正を求めることが現実的な第一歩です。改善されない場合はAirbnbサポートに報告し、追加料金請求またはキャンセル対応を依頼できます。状況によっては行政書士への相談も選択肢の一つです。
ゲスト審査・本人確認での典型的な失敗例5選
実務上よく見られる失敗パターンを整理します。これらを事前に把握しておくことで、同様の問題を防止できます。
失敗例1:在日外国人に旅券確認を求めてトラブル
「外国人だから」という理由で全外国人ゲストにパスポートの提示を求め、日本在住の外国籍ゲストからクレームが来たケースです。前述のとおり、日本国内に住所を有する外国人は旅券確認の対象外です。「旅行で来日した外国人(日本国外居住者)のみ」が確認対象であることを徹底することで、このトラブルは防止できます。
失敗例2:名簿書式が旧様式のまま(旅館業法改正未対応)
令和5年12月の旅館業法改正後も、「職業」欄のある旧書式を使い続けているケースです。旅館業での運営の場合、改正後の書式(連絡先あり・職業なし)に更新する必要があります。自治体への定期的な確認と書式更新を怠ることが、行政指導につながるリスクがあります。
失敗例3:国籍を理由に予約を断ってAirbnbアカウント停止
「◯◯国からのゲストは経験上トラブルが多い」という思い込みで、特定国籍のゲストの予約を断り続け、Airbnbの差別禁止ポリシー違反としてアカウント警告を受けたケースです。国籍・出身国を理由とした拒否はポリシー違反であり、過去のレビュー・行動履歴など行動ベースの基準に切り替えることが必要です。
失敗例4:宿泊者名簿を作成していなかった
「Airbnbの履歴があるから名簿は不要だと思っていた」というケースです。住宅宿泊事業法でも旅館業法でも、ホスト自身による宿泊者名簿の作成・3年保存は法的義務です。行政の立入確認で名簿が提示できない場合は指導対象となります。Airbnbの予約履歴は参考になりますが、名簿の代替にはなりません。
失敗例5:ハウスルールを設定せずパーティー被害
パーティー禁止の設定もせず、宿泊人数の制限も明記していなかったため、30人規模のパーティーが開かれ、近隣住民から苦情・物件に損害が発生したケースです。Airbnbのハウスルールに「パーティー禁止」を明記し、即時予約の場合はパーティー禁止フィルターをオンにしておくことで、リスクを軽減できます。
まず何から手をつければよいですか?優先順位を教えてください。
まずは「宿泊者名簿の書式が運営制度に対応しているか」の確認が最優先です。次に「Airbnbのハウスルール設定」「ゲスト要件の設定」を順番に確認することが、現実的な優先順位です。制度確認は管轄自治体または行政書士への相談が確実です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 宿泊者名簿はどのような形式で保管すればよいですか?
紙の名簿でも、Excelなどの電子データでも対応可能とされています。重要なのは「行政の立入確認に対して速やかに提示できる状態で3年間保存する」という点です。具体的な書式・保存方法については、物件所在地の自治体(住宅宿泊事業は都道府県または市区町村の担当課)に確認することを推奨します。
Q2. チェックインがセルフの場合、旅券確認はどうすればよいですか?
実務上は、チェックイン前にAirbnbのメッセージ経由で旅券の写真送付を依頼するか、オンライン本人確認サービスを活用するケースが多くみられます。ただし、これらの方法が法的要件を満たすかどうかは自治体によって見解が異なる場合があります。具体的な方法については、管轄自治体への事前確認を推奨します。
Q3. Airbnb本人確認済みのゲストは信頼できますか?
本人確認済みバッジは「Airbnbが身分証と自撮り写真を照合した」ことを示すものです。身元確認の一つの指標にはなりますが、過去のレビュー・コミュニケーション内容・宿泊目的など、複数の要素を総合的に見ることが現実的な審査の進め方です。本人確認済みであっても、ハウスルールへの違反や問題行動が起きる可能性をゼロにするものではありません。
Q4. 住宅宿泊事業法と旅館業法では、名簿の「職業」記載の扱いが違うとのことですが、住宅宿泊事業の場合は実際にどう確認すればよいですか?
住宅宿泊事業法では現状、職業の記載が求められています。実務上は「チェックインフォームに職業欄を設けてゲストに記入してもらう」「予約時のメッセージで確認する」などの方法が取られています。ただし、ゲストが正確な職業を申告しているかどうかの確認義務がホストにどこまであるかは、法令上明確でない部分もあります。詳細は行政書士など専門家に確認されることを推奨します。
Q5. ゲストが宿泊中にルール違反をした場合、Airbnbを通さずに直接警告を出してもよいですか?
緊急性の低い場合は、Airbnbのメッセージ経由で伝えることが推奨されます。記録が残るため、後々のトラブル対応・AirCoverによる損害賠償請求の際に有効な証拠となります。電話やSMSで直接連絡する場合も、後からAirbnbのメッセージに記録として残しておくことが現実的な対応です。
Q6. 民泊と旅館業を兼用している物件の場合、名簿はどうなりますか?
同一物件で複数の制度を使い分けることは制度設計上想定されていないケースが多く、実務上は複雑な状況となります。このような特殊なケースについては、行政書士などの専門家に個別に相談することを強く推奨します。
Q7. 不審なゲストについて、事後にAirbnbにレビューで警告を書いてもよいですか?
Airbnbのゲストレビュー機能を使って、問題のあった行動(ハウスルール違反・物件への損害等)を事実ベースで記述することは認められています。ただし、個人を中傷する表現・推測による決めつけ・差別的な表現は規約違反となります。「事実」を「客観的な表現」で記述することが、他のホストへの情報提供として適切な対応です。

まとめ:安全なゲスト管理の2本柱
民泊のゲスト審査・本人確認は、「法的義務としての宿泊者名簿管理」と「プラットフォームルールの中での安全なゲスト審査」の2本柱で考えることが現実的なアプローチです。
法的義務の面では、運営する制度(住宅宿泊事業法・旅館業法・特区民泊)によって名簿の記載事項が異なること、在日外国人は旅券確認不要であること、令和5年12月の旅館業法改正で書式が変わっていることを把握しておくことが重要です。
プラットフォームルールの面では、Airbnbの差別禁止ポリシー(国籍・出身国・人種等を理由とした拒否は禁止)の範囲内で、行動ベースの審査(本人確認の有無・レビュー履歴・宿泊目的の確認)を組み合わせることが適切なゲスト審査の考え方です。
制度の解釈・名簿の書式・具体的な確認方法については、物件所在地の自治体担当課や行政書士への相談が、最終的な判断の拠り所として現実的な選択肢です。法改正は継続して行われているため、定期的に情報を更新することも重要です。
本記事は2026年5月時点の制度を解説しています。住宅宿泊事業法・旅館業法・特区民泊の制度は改正される可能性があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
ご確認ください(民泊学校 編集部より)
本記事は 2026-05-20 時点で公開されている公式情報・一次情報をもとに編集しています。
法律、条例、税制、消防、各種許認可、収支見通しなどは、お住まいの自治体・対象物件の所在地・物件種別・運営形態によって取扱いが異なります。
最終的なご判断は、必ず以下にご確認ください。
- 制度・条例: 民泊制度ポータルサイト / 物件所在地の自治体(住宅宿泊事業 / 旅館業 / 特区民泊の所管課)
- 消防: 物件所在地の所轄消防署
- 税務: 顧問税理士 または 所轄税務署
- 許認可・届出: 行政書士(民泊・旅館業に詳しい方)
- 近隣対応・契約: 弁護士・宅地建物取引士
当サイトでは、上記の専門家・自治体への確認窓口を 運営代行業者の選び方 で案内しています。
収支試算は 収支シミュレーター、物件可否は 無料可否診断 をご利用ください。
本記事の情報は予告なく変更される可能性があります。掲載情報の利用により生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。
📋 ご確認ください(民泊学校 編集部より)
本記事は 2026-05-20 時点で公開されている公式情報・一次情報をもとに編集しています。
法律、条例、税制、消防、各種許認可、収支見通しなどは、お住まいの自治体・対象物件の所在地・物件種別・運営形態によって取扱いが異なります。
最終的なご判断は、必ず以下にご確認ください。
- 制度・条例: 民泊制度ポータルサイト / 物件所在地の自治体(住宅宿泊事業 / 旅館業 / 特区民泊の所管課)
- 消防: 物件所在地の所轄消防署
- 税務: 顧問税理士 または 所轄税務署
- 許認可・届出: 行政書士(民泊・旅館業に詳しい方)
- 近隣対応・契約: 弁護士・宅地建物取引士
当サイトでは、上記の専門家・自治体への確認窓口を 運営代行業者の選び方 で案内しています。
収支試算は 収支シミュレーター、物件可否は 無料可否診断 をご利用ください。
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