編集: 民泊学校 編集部 | 最終更新日: 2026-05-21

東京都で民泊を始めようとして、まず突き当たる壁が「届出窓口はどこか」「自分の区の条例はどうなっているのか」という疑問です。実務上は、都内23区はそれぞれが独自の条例制限を持っており、渋谷区では年4期間の営業禁止、千代田区では令和8年7月1日施行の新規制、新宿区では平日昼間の家主不在型営業禁止など、区ごとに内容が大きく異なります。本記事では、東京都産業労働局・東京消防庁・各区の公式情報をもとに、2026年5月時点の届出手続き・区条例の違い・消防設備要件・よくある失敗例を一冊にまとめました。東京都での民泊開業を検討している方の実務判断材料としてご活用ください。

この記事でわかること

  • 東京都の民泊届出窓口(都所管区域 vs 特別区23区)の振り分けルール
  • 23区の主要条例制限(禁止期間・禁止区域)の区別比較
  • 千代田区の令和8年7月1日施行新規制の内容
  • 渋谷区の令和8年3月26日改正による制限区域拡大の概要
  • 新宿区・港区の条例制限の違い(週次型 vs 年3期間型)
  • 東京消防庁への事前相談が必要な理由と必要設備
  • 届出から定期報告までの実際の手順と注意点
東京都民泊 Step1 都所管区域と特別区23区の届出窓口振り分けルールと届出書類を確認する

結論:東京都で民泊を始める前に確認すべき3ポイント

  1. 届出窓口は物件の所在区によって異なる。特別区(23区)は各区保健所、島しょ・奥多摩等は都の窓口が担当。
  2. 区の条例制限を先に確認する。住宅宿泊事業法の上限180日よりも厳しい制限が多くの区で設けられており、区条例が実態上の「上限」となるケースがある。
  3. 消防署への事前相談は届出より先に行う。東京消防庁は民泊開業前の消防署相談を必須としており、設備改修が必要になる場合があるため、早期着手がこの順では現実的です。

Contents

東京都の民泊市場——宿泊者数全国最多・インバウンド集中地域

現状を見ると、東京都は住宅宿泊事業法に基づく民泊において、全国で最も多くの宿泊者が集まる地域です。観光庁が公開している住宅宿泊事業施行状況(令和8年3月時点)によれば、東京都の宿泊者数は224,952人で全国第1位となっています。2019年以降のコロナ禍からの回復を経て、訪日外客の増加とともに、都内の民泊需要は再び拡大傾向にあります。

観光庁 住宅宿泊事業施行状況(2026-05-21取得)
東京都宿泊者数224,952人(令和8年3月時点)。全国最多。

ただし、需要が高い一方で、東京都内は全国的にも条例制限が厳しい地域として知られています。23区の多くは住居専用地域での家主不在型営業禁止や期間制限を設けており、実態上の稼働可能日数が法定上限の180日を大きく下回るケースが少なくありません。

特に注目すべきは、インバウンド需要の偏在です。渋谷・新宿・港・台東・中央といった都心区への集中度が高く、一方でこれらの区が条例制限でも厳しい傾向にあるというジレンマがあります。物件取得前に区の条例を確認するのが、この地域での開業において最も重要な実務上の手順といえます。

東京都内の民泊届出物件数の特徴

指標 東京都の状況(令和8年3月時点) 備考
宿泊者数 224,952人(全国1位) 観光庁 施行状況より
届出区域 23区 + 市町村 + 島しょ 各区保健所 または 都が所管
条例制限の有無 全23区で何らかの制限あり 内容は区ごとに異なる
消防事前相談 東京消防庁管轄(全域) 届出前に相談推奨

この記事では制度的な手続き・窓口・区ごとの条例制限を整理していきます。収支面の試算については、別途シミュレーターで確認することをお勧めします。

はじめ君

はじめ君

東京は民泊需要が多そうですが、それだけ開業しやすい環境なのでしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

需要は大きい一方、23区のほとんどが独自の条例制限を持っており、実際に稼働できる日数は区によって大きく変わります。まずは物件の所在区の条例確認が先決です。

東京都の民泊届出窓口——都所管区域 vs 特別区23区の振り分け

住宅宿泊事業の届出窓口は、物件の所在地によって異なります。東京都の場合、特別区(23区)については各区の保健所が窓口となります。一方、多摩地域(市・町・村)や島しょ部については、東京都産業労働局観光部が所管する場合があります。この振り分けを間違えると手続きが進まないため、最初に確認すべき点です。

東京都 民泊届出窓口 都所管区域と23区の振り分け Image2完成デザイン
東京都では物件所在地によって届出窓口が変わるため、都所管区域と特別区の振り分けを最初に確認します。

東京都産業労働局「住宅宿泊事業(民泊)」(2026-05-21取得)
特別区は各区保健所へ、多摩・島しょは都産業労働局へ届出。振り分け情報あり。

民泊制度ポータル 自治体窓口一覧(2026-05-21取得)
23区各保健所の窓口情報を掲載。物件所在区の保健所を確認するために参照。

窓口の振り分け早見表

物件の所在地 届出窓口 参照先
特別区(23区)内 各区保健所(区ごとに担当課が異なる) 民泊制度ポータル 自治体窓口一覧
多摩地域(市・町・村) 東京都産業労働局観光部 または 各市町村 東京都産業労働局ページで確認
島しょ部 東京都産業労働局観光部 東京都産業労働局ページで確認

実務上は、まず民泊制度ポータルの「自治体窓口一覧」で物件の区の保健所名を確認し、次にその保健所の公式ページで担当課・相談方法を調べるという2ステップが現実的です。保健所によっては事前相談の電話予約が必要な場合があるため、早い段階で連絡を取ることをお勧めします。

注意:電話番号・担当課は変更される可能性があるため、本記事では掲載していません。最新の連絡先は各区保健所の公式ページでご確認ください。

はじめ君

はじめ君

渋谷区のマンションを持っているのですが、窓口は渋谷区の保健所になるのでしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

渋谷区内の物件であれば、渋谷区保健所が届出窓口になります。ただし渋谷区は独自の条例制限があるため、窓口への相談前に条例内容を確認しておくと手続きがスムーズです。

23区の主要な条例制限一覧——区ごとの禁止期間・区域制限の違い

東京都内23区では、住宅宿泊事業法が認める上限180日以内で、各区が独自の条例を制定しています。条例の規制パターンは大きく分けて3種類あります。

東京都23区 民泊条例制限と禁止期間比較 Image2完成デザイン
23区では区ごとに禁止期間や制限区域が異なるため、所在地単位で条例確認を行います。
  • 期間禁止型:特定の期間(学校の長期休暇期間外など)の営業を禁止
  • 区域・用途地域型:住居専用地域や文教地区での営業時間・形態制限
  • 組み合わせ型:期間制限+区域制限の両方を設定

以下は主要区の条例制限の概要です。詳細は各節および各区公式ページでご確認ください。条例は改正されることがあるため、最終的なご判断は各区保健所への確認を推奨します。

主な制限内容(概要) 備考
千代田区 文教地区・学校周辺100m範囲で全日営業不可(令和8年7月1日施行) 施行日前後で対象範囲が変わる可能性あり
渋谷区 年4期間の営業禁止(令和8年3月26日改正で制限区域拡大) 最新条例は渋谷区公式で確認必須
新宿区 住居専用地域で月〜金正午に家主不在型営業禁止(令和7年2月第五版) 家主居住型は対象外
港区 家主不在型のみ年3期間制限(住居専用地域・文教地区) 家主居住型は制限なし
その他の区 各区で条例内容が異なる。区保健所への確認が必要

「東京都全体では〜」と一般化できる条例制限はなく、物件の所在区ごとに個別確認が必要です。特に上表に記載のない区についても、住居専用地域での制限などが設けられているケースがあります。実務上は、物件を決定する前に区保健所への事前相談を行うことが、この順では現実的です。

はじめ君

はじめ君

条例制限があっても、住宅宿泊事業の届出さえすれば180日間は運営できるのでしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

区条例が設ける制限は、法定上限の180日よりも厳しい場合があります。区条例の禁止期間中は営業できないため、実際の稼働可能日数は180日を大幅に下回る区もあります。物件の区の条例内容を先に確認することが重要です。

千代田区の民泊ルール——文教地区・学校周辺100m・令和8年7月改正

千代田区は、都内でも比較的制限が厳しい区のひとつとして知られています。千代田区の条例では、文教地区および学校周辺100m範囲において、住宅宿泊事業(家主不在型・家主居住型の両方)の全日営業が不可となる区域が設定されています。

千代田区「住宅宿泊事業の実施に関する条例」(2026-05-21取得)
文教地区等・学校周辺100m範囲での全日営業不可の定めあり。令和8年7月1日施行の改正内容を含む。

令和8年7月1日施行の改正内容

千代田区では令和8年7月1日を施行日とする条例改正が予定されており、制限対象の区域区分が変更・追加されています。この施行日前後で対象となる物件範囲が変わる可能性があるため、以下の点に注意が必要です。

重要:令和8年7月1日以降の制限内容については、施行後の千代田区公式ページで必ずご確認ください。本記事公開時点(2026年5月)では施行前の情報に基づいており、施行後に制限範囲・内容が変更されている可能性があります。

  • 文教地区:千代田区指定の文教地区は、住宅宿泊事業の全日営業が制限される区域に含まれる場合がある
  • 学校周辺100m:小学校・中学校・高校等の学校施設から100m以内の範囲が対象区域として設定
  • 施行日前後の確認:令和8年7月1日前後で物件の対象可否が変わるケースがあるため、施行後の条例内容を千代田区保健所に確認する必要がある

千代田区で民泊開業を検討している場合、物件所在地が文教地区または学校周辺100m以内に該当するかどうかを千代田区保健所に確認することが最初の実務手順となります。千代田区の条例マップや地図情報は区の公式ページで確認できます。また、行政書士(民泊に詳しい方)に相談することで、物件所在地の条例適合状況を事前に確認する方法もあります。

千代田区は都心の一等地であり、インバウンド需要も高い地域ですが、制限区域に該当する場合は住宅宿泊事業での運営が難しくなります。旅館業(簡易宿所)での許可取得や、制限区域外の物件への移行など、複数の選択肢を行政書士と相談しながら検討するのが現実的なアプローチです。

はじめ君

はじめ君

千代田区の物件が学校から120mの距離にあれば、条例の制限は受けないと考えてよいですか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

距離の測定方法(敷地境界からか建物入り口からかなど)や、令和8年7月1日施行の改正後の区域変更を含め、最終的な判断は千代田区保健所への確認が必要です。条例マップや担当窓口への相談をお勧めします。

渋谷区の民泊ルール——年4期間禁止・令和8年3月改正で制限区域拡大

渋谷区の住宅宿泊事業条例は、年間4期間にわたる営業禁止を定めており、住宅宿泊事業の上限180日と比べても実質的に稼働できる日数が大きく制約される仕組みになっています。

渋谷区「住宅宿泊事業(民泊)について」(2026-05-21取得)
年4期間禁止の規定あり。令和8年3月26日改正で制限区域拡大。最新の条例内容は渋谷区公式で確認必須。

令和8年3月26日改正の概要

渋谷区では令和8年3月26日に条例改正が行われ、制限区域が拡大されました。この改正により、従来は制限対象外であった一部の地域・物件が、新たに制限対象に含まれるようになった可能性があります。

重要:令和8年3月26日改正後の制限区域の詳細については、渋谷区公式ページの最新情報をご確認ください。本記事の情報は公開時点(2026年5月)のものであり、施行時期・適用範囲の詳細は渋谷区保健所に直接お問い合わせいただくことを強くお勧めします。

渋谷区では年4期間の営業禁止が基本となっているため、現状の制度ベースで考えると、住宅宿泊事業としての年間稼働可能日数は相当程度限られることになります。渋谷区での民泊開業を検討する場合は、以下の順で確認するのが現実的です。

  1. 渋谷区の最新条例(令和8年3月26日改正後)を渋谷区公式ページで確認する
  2. 物件所在地が制限区域に含まれるかどうかを渋谷区保健所に確認する
  3. 稼働可能な期間・日数で収支が成立するかどうかを試算する(収支シミュレーター活用推奨)
  4. 必要であれば旅館業(簡易宿所)許可の取得可能性を行政書士に確認する

渋谷区の条例制限は都内でも厳しい部類に入るため、収益計画を立てる段階では、渋谷区での住宅宿泊事業の収支が成立するかどうかを慎重に検討することをお勧めします。収支シミュレーターを活用して複数のシナリオで試算してみてください。

はじめ君

はじめ君

渋谷区の「年4期間禁止」というのは、具体的にどの期間が禁止になるのでしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

禁止期間の具体的な日程・区域については、令和8年3月26日改正後の渋谷区公式ページまたは渋谷区保健所への確認をお勧めします。条例改正で内容が変わっている可能性があるため、本記事では断定的な情報を掲載していません。

新宿区・港区の民泊ルール——週次サイクル型 vs 年3期間型

新宿区:住居専用地域での平日昼間禁止(家主不在型)

新宿区の条例(令和7年2月第五版)では、住居専用地域において月曜日から金曜日の正午まで家主不在型の営業が禁止されています。これは週次サイクルで繰り返される制限であり、年間を通じて「平日の前半(月〜金の昼12時まで)」は家主不在型での稼働ができない仕組みです。

新宿区「住宅宿泊事業ルールブック(令和7年2月第五版)」(2026-05-21取得)
住居専用地域で月〜金正午まで家主不在型営業禁止。家主居住型は対象外。

家主居住型(ホームシェア型)の場合は、この制限の対象外となります。新宿区で民泊を検討する場合、家主不在型か家主居住型かによって運営可能な時間帯・日数が異なります。また、住居専用地域以外の地域については別途確認が必要です。

港区:家主不在型のみ年3期間制限(住居専用地域・文教地区)

港区の条例では、住居専用地域および文教地区において、家主不在型の営業が年間3期間にわたって禁止されています。家主居住型については制限が設けられておらず、家主不在型のみが対象となります。

港区「住宅宿泊事業(民泊)を行う皆様へ」(2026-05-21取得)
家主不在型のみ年3期間制限(住居専用地域・文教地区)。家主居住型は制限なし。

新宿区・港区の条例制限の比較

項目 新宿区 港区
制限の種類 週次サイクル型(月〜金正午まで) 年3期間型
対象の運営形態 家主不在型のみ 家主不在型のみ
対象区域 住居専用地域 住居専用地域・文教地区
家主居住型への制限 なし なし
根拠資料(取得日) ルールブック第五版(2026-05-21) 区公式ページ(2026-05-21)

新宿区・港区ともに、家主居住型(自分も物件に住んでいる状態での民泊)であれば条例制限の対象外となる点が特徴です。一方で家主不在型(いわゆるフルリモート運営)は制限を受けます。運営形態の選択が条例適合の観点でも重要な判断になります。

はじめ君

はじめ君

自分も同じ物件に住んでいる(家主居住型)なら、港区では条例制限を受けないのでしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

港区の現行条例では、家主不在型のみが年3期間の制限対象とされており、家主居住型は制限なしとされています。ただし「家主居住型」の要件(何日以上居住が必要か等)の詳細は港区保健所に確認してください。

東京消防庁への事前相談と必要な消防設備

東京都内で民泊を始める際、住宅宿泊事業の届出とは別に、東京消防庁(所轄消防署)への事前相談が必要です。東京消防庁は民泊開業前の消防署相談を推奨しており、物件の状況によっては設備の設置・改修が求められる場合があります。

東京消防庁 民泊事前相談と消防設備 Image2完成デザイン
東京で民泊を始める前に、消防署への事前相談、図面確認、設備要否を早めに整理します。

東京消防庁「新たに民泊を行おうと考えている皆様へ」(2026-05-21取得)
消防署への事前相談推奨。自動火災報知設備・多言語リーフレット(11言語)の情報あり。

民泊に必要な消防設備の概要

住宅宿泊事業(民泊)を行う場合、物件の規模・用途・宿泊者数等によって求められる消防設備が異なります。東京消防庁の情報に基づくと、以下の設備が確認対象となる場合があります。

設備の種類 概要 確認先
自動火災報知設備 規模・構造によって設置義務が生じる場合がある 所轄消防署
住宅用火災警報器 全戸で義務付け。民泊でも継続確認が必要 所轄消防署
避難経路の確保 宿泊者が避難できる経路の明示 所轄消防署
多言語リーフレット 東京消防庁が11言語で案内資料を提供 東京消防庁公式サイト

具体的に必要な設備・改修内容は、物件の構造・規模・宿泊者受入数・建物の用途変更の有無などによって異なります。実務上は、届出前に所轄消防署に連絡を取り、物件の図面を持参した上で事前相談を行うのが現実的な手順です。消防設備の改修には費用と時間がかかるケースもあるため、早めの着手を推奨します。

また、東京消防庁では宿泊者向けの多言語リーフレット(11言語対応)を提供しています。外国語を話すゲストに対して避難方法を案内する資料として活用できます。東京消防庁の公式サイトからダウンロードが可能です。

消防設備の確認は届出の前に行うことを強くお勧めします。届出後に消防設備の不備が判明した場合、追加工事の費用・時間が発生します。消防署への事前相談は、計画段階の早い時期に行うのが現実的です。

はじめ君

はじめ君

普通のマンションの1室を民泊にする場合も、消防署に相談が必要なのでしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

東京消防庁は、物件の種類・規模にかかわらず民泊開業前の消防署相談を推奨しています。マンションの1室であっても、住宅用火災警報器の設置状況や避難経路の案内方法などを事前に確認しておくことをお勧めします。

東京都民泊 Step2 23区の条例制限(千代田区令和8年7月施行・渋谷区令和8年3月改正・新宿区・港区)の禁止期間・禁止区域を比較する

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東京都の届出手続き——事前相談・書類準備・届出・定期報告

東京都内で住宅宿泊事業を行うには、住宅宿泊事業法に基づく届出が必要です。東京都産業労働局の手続きページによると、事前相談が必須となっており、電話での予約が推奨されています。

東京都産業労働局「事前相談・届出手続」(2026-05-21取得)
事前相談必須(電話予約推奨)・必要書類一覧・2ヶ月ごと定期報告義務の情報あり。

届出に必要な主な書類

届出に必要な書類は物件の状況・運営形態によって異なりますが、一般的に求められる書類には以下のものがあります。なお、必要書類の詳細・最新情報は窓口への事前相談時に確認してください。

  • 住宅宿泊事業届出書
  • 住宅の登記事項証明書(または賃貸借契約書等、住宅であることを示す書類)
  • 物件の間取り図・設備確認資料
  • マンション等の区分所有建物の場合:管理規約(民泊を禁止していないことの確認)
  • 転貸・またぎ貸しの場合:賃貸人の承諾書
  • 消防設備確認関連書類(消防署との事前相談結果を踏まえて)

2ヶ月ごとの定期報告義務

住宅宿泊事業者には、2ヶ月ごとに定期報告を行う義務があります。報告内容には、宿泊者数・宿泊日数・外国人宿泊者数などが含まれます。この報告は住宅宿泊事業法で定められた義務であり、怠った場合はペナルティの対象となる可能性があるため、開業後の管理体制として組み込んでおく必要があります。

手続きのステップ 概要 備考
事前相談(区保健所) 電話予約して窓口相談。条例制限・必要書類の確認 23区は各区保健所に連絡
消防署事前相談 所轄消防署に連絡・物件の消防設備確認 届出前に実施を推奨
書類準備 事前相談で確認した必要書類を揃える 管理規約確認・建物登記等
届出提出 保健所に届出書一式を提出(郵送または窓口) 届出番号が発行される
標識の掲示 物件に標識(届出番号入り)を掲示 法定義務
定期報告(2ヶ月ごと) 宿泊者数・宿泊日数等を保健所に報告 開業後継続的に発生する義務

届出から開業までのスケジュール感は、事前相談の予約状況・書類の準備状況・消防設備の改修有無によって変わります。一般的に1〜3ヶ月程度の準備期間を見込んでおくと現実的です。特に消防設備の改修が必要な場合はさらに時間がかかる場合があります。

はじめ君

はじめ君

2ヶ月ごとの定期報告は、どこに・どのように提出すればよいのでしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

届出窓口(区保健所)に対して報告するのが基本です。郵送・電子申請等の方法は各区によって異なります。開業前の事前相談時に報告方法を確認しておくと、開業後の手続きがスムーズになります。

東京都内での民泊開業フロー——窓口確認から届出まで

東京都内で民泊開業を進める際の、実務的な手順の全体像をまとめます。この順が現実的で、各ステップで抜け・漏れが出ると後から戻る手間が発生しやすくなります。

STEP 1:物件の所在区・用途地域の確認

まず物件の所在区用途地域を確認します。用途地域(住居専用地域か否か)は、条例制限の適用可否に直接関わります。用途地域は各区の都市計画図や国土交通省の地図サービス(GIS)で調べられます。

STEP 2:区条例の内容確認

所在区の保健所公式ページ、または区条例のPDFを確認します。禁止期間・禁止区域・家主不在型への制限の有無を把握します。千代田区・渋谷区のように改正が行われた区については、最新の施行後の条例内容を確認することが重要です。

STEP 3:マンション管理規約の確認

区分所有マンションの場合、管理規約で民泊を禁止している場合があります。管理組合の規約を必ず確認し、禁止規定がある場合は届出が受理されない(または後でトラブルになる)リスクがあります。規約に民泊禁止の明文規定がないケースでも、管理組合への事前説明を行うことを推奨する行政書士は多くいます。

STEP 4:消防署への事前相談

所轄消防署に連絡を取り、物件の消防設備状況を確認します。改修が必要な場合はこの段階で把握し、工事・費用を計画に組み込みます。

STEP 5:区保健所への事前相談・届出

所在区の保健所に電話予約をして事前相談を行い、必要書類を確認します。書類を揃えたうえで届出を提出します。届出番号が発行されたら物件に標識を掲示します。

STEP 6:開業・定期報告の運用開始

届出が完了したら開業できます。開業後は2ヶ月ごとの定期報告義務が発生します。報告のサイクルをカレンダーに入れておくのが実務上の推奨です。

行政書士(民泊・旅館業に詳しい方)に手続きを代行してもらう選択肢もあります。特に複数の物件を管理したい場合や、条例制限への適合性に不安がある場合は、専門家への相談が有効です。

はじめ君

はじめ君

このフローを行政書士さんにお任せすることは可能ですか?費用感はどの程度でしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

行政書士への届出代行は利用可能です。費用は行政書士によって異なるため、複数の行政書士に見積もりを取ることをお勧めします。東京都内の民泊届出に実績のある行政書士への相談が現実的です。

東京都でよくある失敗例——区条例見落とし・消防未相談・区域誤認

実務上よく見られる失敗パターンを整理します。開業前に把握しておくことで、同じ過ちを避けることができます。

失敗例1:区条例を確認せず届出した

住宅宿泊事業法の届出は完了したものの、区条例の禁止期間・禁止区域を見落としていたケース。「届出したのだから稼働できるはず」と思い込み、条例禁止期間中に営業してしまうと、行政指導の対象となる可能性があります。届出と条例適合は別物です。届出受理 ≠ 全日程の営業可能という点を最初に理解しておくことが重要です。

失敗例2:消防署への相談を省略した

消防設備の確認を後回しにしたまま届出し、開業後に自動火災報知設備の設置が必要と判明したケース。改修工事の費用・期間が想定外に発生し、開業スケジュールが大幅に後ろ倒しになったケースが報告されています。消防署への事前相談は、開業フローの早い段階で実施するのがこの順では現実的です。

失敗例3:用途地域の確認を怠った

物件が住居専用地域に該当することを確認せずに、家主不在型での開業を計画したケース。新宿区や港区など住居専用地域での家主不在型を制限する区では、条例違反に該当する可能性があります。用途地域は登記情報や各区の都市計画図で確認できます。

失敗例4:条例改正後の内容を旧情報で判断した

渋谷区の令和8年3月26日改正、千代田区の令和8年7月1日施行のように、都内各区では条例改正が行われています。改正前の情報(古いブログ記事・SNS情報等)をもとに判断した結果、新制度に適合していなかったケースがあります。公式情報は必ず各区の最新ページで確認することが重要です。

失敗例5:マンション管理規約の確認を後回しにした

区の届出は完了したが、マンションの管理規約で民泊が禁止されていることが判明し、管理組合から是正を求められたケース。管理規約の確認は行政への届出手続きとは別の問題です。区分所有マンションでは、届出前に必ず管理規約を精査し、必要に応じて管理組合への確認・説明を行うことをお勧めします。

失敗パターン 予防策
区条例の見落とし 所在区保健所公式ページで条例制限を事前確認
消防相談の省略 計画段階の早期に所轄消防署へ相談
用途地域の未確認 各区都市計画図または都市計画GISで確認
旧条例情報での判断 各区公式ページの最新版を参照。改正情報に注意
管理規約未確認 管理組合規約を届出前に確認。禁止規定がないか精査

はじめ君

はじめ君

マンションの管理規約に民泊に関する記載がない場合は、民泊をしても問題ないと判断してよいでしょうか?

民泊学校 編集部

民泊学校 編集部

管理規約に明文規定がない場合でも、「専ら住居として使用する」等の条項が民泊禁止と解釈される場合があります。最終判断は管理組合への確認か、マンション管理に詳しい弁護士・宅地建物取引士への相談をお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 東京都で民泊の届出を出す窓口はどこですか?

物件の所在区が23区内であれば、各区の保健所が届出窓口となります。多摩地域・島しょ部については東京都産業労働局が担当することがあります。具体的な窓口は民泊制度ポータルの「自治体窓口一覧」または各区公式ページでご確認ください(2026-05-21取得)。

Q2. 東京都内で年間180日フルで稼働できますか?

住宅宿泊事業法の上限は年間180日ですが、多くの区が独自の条例で禁止期間・禁止区域を設けています。実際に稼働できる日数は、物件の所在区・用途地域・運営形態によって異なります。区の条例内容を確認した上で、実際の稼働可能日数を把握することが重要です。

Q3. 渋谷区の民泊条例は最近改正されたと聞きましたが、何が変わったのですか?

渋谷区では令和8年3月26日に条例改正が行われ、制限区域が拡大されました。詳細な区域・内容については渋谷区公式ページまたは渋谷区保健所への確認をお勧めします。本記事の情報は2026年5月21日取得時点のものです(出典:渋谷区「住宅宿泊事業(民泊)について」2026-05-21取得)。

Q4. 千代田区の「令和8年7月1日施行」とはどういう意味ですか?

千代田区では令和8年7月1日を施行日とする条例の区分変更が行われる予定です。この施行日前後で、文教地区・学校周辺100m制限の対象範囲が変わる可能性があります。施行日以降の内容については千代田区公式ページを確認してください(出典:千代田区「住宅宿泊事業の実施に関する条例」2026-05-21取得)。

Q5. 消防署への事前相談は義務ですか?

東京消防庁は民泊開業前の消防署相談を推奨しています。法律上の「義務」かどうかという観点より、消防設備の不備を早期に発見・解消するために事前相談は実務上必須と考えるのが現実的です。設備改修が必要な場合、早めに着手することで開業スケジュールへの影響を最小化できます(出典:東京消防庁「新たに民泊を行おうと考えている皆様へ」2026-05-21取得)。

Q6. 新宿区で家主不在型の民泊を運営したい場合、いつ稼働できますか?

新宿区の条例(令和7年2月第五版)によると、住居専用地域では月曜日〜金曜日の正午まで家主不在型の営業が禁止されています。土日祝日、または平日の正午以降は制限の対象外となります。ただし住居専用地域以外の地域における規制については、別途新宿区保健所への確認をお勧めします(出典:新宿区「住宅宿泊事業ルールブック第五版」2026-05-21取得)。

Q7. 届出後に定期報告を怠るとどうなりますか?

住宅宿泊事業法では2ヶ月ごとの定期報告が義務付けられています。現状の制度では、報告を怠った場合に行政指導の対象となる可能性があります。具体的な取扱いや制裁の内容については、届出窓口(各区保健所)への確認をお勧めします。定期報告のカレンダー管理は開業後の必須業務として組み込んでおくことを推奨します。

東京都民泊 Step3 東京消防庁への事前相談・消防設備設置・届出提出で東京都民泊開業を完成させる

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まとめ——東京都で民泊開業する際の実務ポイント

本記事では、東京都での住宅宿泊事業(民泊)開業に必要な情報を、公式ソースをもとに整理しました。最後に実務上の要点を確認します。

  • 届出窓口:23区内は各区保健所、多摩・島しょは東京都産業労働局。まずは民泊制度ポータルで所在区の窓口を確認する
  • 区条例の確認:「東京都全体では〜」と一括りにできない。各区が独自の禁止期間・禁止区域を持っており、稼働可能日数は区によって大きく異なる
  • 改正情報への注意:渋谷区(令和8年3月26日改正)・千代田区(令和8年7月1日施行)など、最近改正が行われた区がある。古い情報をそのまま使わず、各区公式ページで最新の条例を確認する
  • 消防署への早期相談:届出の前に所轄消防署へ相談し、設備改修の有無を確認する。改修が必要な場合は開業スケジュールに余裕を持たせる
  • 定期報告の継続:開業後も2ヶ月ごとの定期報告義務が発生する。報告忘れがないよう管理体制を整備する
  • 専門家との連携:条例適合性の確認・届出代行・マンション管理規約の解釈等については、行政書士・弁護士・宅地建物取引士への相談を検討する

東京都は全国最多の民泊宿泊者数を誇る一方、23区それぞれの条例制限への対応が開業の可否・収益性を左右します。制度情報は随時更新されるため、本記事の情報とあわせて各区公式ページを必ずご確認ください。最終的なご判断は、物件所在地の区保健所、所轄消防署、および必要に応じて行政書士・税理士・弁護士にご相談いただくことを推奨します。

公式情報の取得元(2026-05-21取得)
出典1:東京都産業労働局「住宅宿泊事業(民泊)」
出典2:東京都産業労働局「事前相談・届出手続」
出典3:観光庁 住宅宿泊事業施行状況
出典4:民泊制度ポータル 自治体窓口一覧
出典5:千代田区「住宅宿泊事業の実施に関する条例」
出典6:渋谷区「住宅宿泊事業(民泊)について」
出典7:東京消防庁「新たに民泊を行おうと考えている皆様へ」
出典8:新宿区「住宅宿泊事業ルールブック(令和7年2月第五版)」
出典9:港区「住宅宿泊事業(民泊)を行う皆様へ」


📋 ご確認ください(民泊学校 編集部より)

本記事は 2026-05-21 時点で公開されている公式情報・一次情報をもとに編集しています。
法律、条例、税制、消防、各種許認可、収支見通しなどは、お住まいの自治体・対象物件の所在地・物件種別・運営形態によって取扱いが異なります。
最終的なご判断は、必ず以下にご確認ください。

  • 制度・条例: 民泊制度ポータルサイト / 物件所在地の自治体(住宅宿泊事業 / 旅館業 / 特区民泊の所管課)
  • 消防: 物件所在地の所轄消防署
  • 税務: 顧問税理士 または 所轄税務署
  • 許認可・届出: 行政書士(民泊・旅館業に詳しい方)
  • 近隣対応・契約: 弁護士・宅地建物取引士

当サイトでは、上記の専門家・自治体への確認窓口を 運営代行業者の選び方 で案内しています。
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