民泊の会計ソフト比較 2026年版|freee・マネーフォワード・やよいの料金と選び方を所得区分から解説
編集: 民泊学校 編集部 | 最終更新日: 2026-06-11
民泊の確定申告で最初につまずくのが「会計ソフト選び」です。一般的なランキング記事を読んでも、民泊特有の事情——所得区分が人によって違う(不動産所得・事業所得・雑所得)、OTAの売上明細の取り込み、家事按分——には答えがありません。本記事では、freee会計・マネーフォワード クラウド確定申告・やよいの青色申告 オンラインの3つを、民泊ホストの目線だけで比較します。料金・対応書類はすべて各社公式ページから2026-06-11時点の情報を取得しています。
この記事でわかること
- 民泊の記帳が「ふつうの副業」より一手間多い3つの理由
- freee・マネーフォワード・やよい 3ソフトの料金と民泊対応の比較表
- 雑所得で申告する人がマネーフォワードを選ぶときの注意点(公式明記の制限)
- 所得区分・インボイス・電子帳簿保存法から見た選び方フロー
- よくある失敗(年の途中の乗り換え・無料プランの限界)と回避策

Contents
結論:民泊の会計ソフトは「自分の所得区分」で選ぶと失敗しない
先に結論を整理します。3ソフトとも記帳・青色申告・e-Taxという基本機能は揃っており、「どれが優れているか」より「自分の民泊がどの所得区分か」との相性で選ぶのが実務的です。
- 記帳の自動化を重視し、月額コストを許容できる → freee会計(口座・カード連携と自動仕訳が強み)
- コストを抑えたい。事業所得または不動産所得で申告する → マネーフォワード クラウド確定申告(年払いで月900円相当〜)
- まず1年ためしてから決めたい → やよいの青色申告 オンライン(初年度0円キャンペーン)
- 雑所得で申告する予定 → 後述の注意(マネーフォワードは雑所得用の収支内訳書に非対応と公式明記)を必ず確認
自分の民泊収入がどの所得区分になるかが曖昧な場合は、先に民泊 確定申告・税金 完全ガイドの所得区分判定を確認してください。区分の最終判断に迷う場合は税理士または税務署への確認をおすすめします。
本記事の出典(公式ソース)
(2026-06-11取得)
個人向けプランの現行構成・年払い価格を参照。
(2026-06-11取得)
電子帳簿保存・優良電子帳簿対応の公式記載を参照。
(2026-06-11取得)
パーソナルミニ/パーソナル/パーソナルプラスの税抜価格を参照。
(2026-06-11取得)
不動産所得用の決算書対応と、雑所得用収支内訳書が非対応である旨の公式記載を参照。
(2026-06-11取得)
各プランの掲出価格・初年度キャンペーンを参照。
(2026-06-11取得)
JIIMA認証・2割特例対応の公式記載を参照。
(2026-06-11取得)
不動産所得の基本的な考え方を参照。
(2026-06-11取得)
住宅宿泊事業の所得が原則として雑所得に区分される旨の公式整理を参照。
(2026-06-11取得)
55万円・65万円控除の要件(複式簿記・e-Tax等)を参照。
(2026-06-11取得)
適格請求書等保存方式の概要を参照。
なぜ民泊の記帳は「ふつうの副業」より一手間多いのか
会計ソフトの比較に入る前に、民泊特有の前提を3つだけ押さえます。ここを理解しておくと、ソフトの「どの機能を見るべきか」が明確になります。
1. 所得区分が人によって違う
民泊の収入は、運営形態や規模によって不動産所得・事業所得・雑所得のいずれかに分かれます(住宅宿泊事業の所得は原則として雑所得に区分され、規模等により事業所得となる場合がある、というのが国税庁の整理です)。どの区分かによって、使う決算書・収支内訳書の様式が変わり、ソフトによって対応書類に差があります。詳しくは確定申告・税金 完全ガイドで解説しています。
イメージしやすいよう、典型的な3つのシナリオを挙げます(実際の区分は個別事情で変わるため、最終判断は税理士・税務署へ確認してください)。
- 自宅の空き部屋で家主居住型の民泊(住宅宿泊事業)を小規模に運営 — 国税庁の情報(2026-06-11取得)では、住宅宿泊事業による所得は原則として雑所得に区分されます。この場合、青色申告の対象にならないケースが多く、「雑所得の書類に対応しているか」がソフト選びの分かれ目になります。
- 賃貸物件を借り上げて継続的・反復的に運営し、事業としての規模がある — 事業所得と判断される余地が出てきます。事業所得なら青色申告(最大65万円控除)の対象になり、複式簿記対応のソフトの価値が大きくなります。
- 転勤中の持ち家を貸す・賃貸併用など、貸付けの性格が強い — 不動産所得として申告するケースがあります。3ソフトとも不動産所得用の決算書には対応していますが、民泊(宿泊)と純粋な賃貸が混在する場合は判断が分かれやすいため、税理士への確認をおすすめします。
2. 家事按分と開業費の処理がある
自宅の一部で民泊をする場合の光熱費・通信費の按分、開業前にかかった費用の開業費(繰延資産)処理など、仕訳の論点が多めです。按分計算をソフト上で設定できるかは作業時間に直結します。
3. OTA明細の保存が電子帳簿保存法の対象になる
AirbnbやBooking.comの明細は電子取引データにあたり、2024年1月から電子保存が義務化されています。電子帳簿保存法対応の記事で詳しく解説していますが、ソフト側の対応(JIIMA認証等)を確認しておくと安心です。
3ソフト比較表(料金と民泊対応の要点)
各社の料金・キャンペーンは改定されることがあります。税込価格・最新のプラン構成は、申し込み前に各公式料金ページでご確認ください。
| 項目 | freee会計 | マネーフォワード クラウド確定申告 |
やよいの青色申告 オンライン |
|---|---|---|---|
| 年払いの目安 | スターター 24,000円/年・スタンダード 48,000円/年(税抜) | ミニ 10,800円/年・パーソナル 15,360円/年・プラス 35,760円/年(税抜) | セルフ 11,800円/年・ベーシック 22,800円/年・トータル 39,600円/年(料金ページ掲出額) |
| 無料で試す方法 | 無料お試しあり | 無料トライアルあり(カード登録不要) | 初年度0円(セルフ・ベーシック、キャンペーン期間中) |
| 不動産所得用の決算書 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 雑所得用の収支内訳書 | 対応書類は公式で要確認 | 非対応(公式明記) | 対応書類は公式で要確認 |
| インボイス(消費税申告) | 対応 | パーソナル以上で対応(ミニは不可) | 対応(2割特例含む) |
| 電子帳簿保存法 | 対応(優良電子帳簿) | 対応(JIIMA認証) | 対応(JIIMA認証) |
| e-Tax・スマホ | 対応・アプリあり | 対応・アプリ提出可 | 対応・補助アプリあり |
表の見方を補足します。価格は「年払いした場合の年額」で揃えています(月払いは各社とも割高になります)。民泊ホストにとっての実質的な分岐は、金額差よりも「雑所得の書類」「インボイス対応プラン」の2行です。ここが自分の申告形態と合っていれば、あとは操作感の好みで選んで差し支えありません。

会計ソフトに任せられること・任せられないこと
比較に入る前に、期待値を正しく設定しておきます。どのソフトを選んでも、できること・できないことの線引きは共通です。
- 任せられること: 口座・カード明細の取り込みと仕訳の下書き、帳簿の自動集計、決算書・申告書の様式作成、e-Tax送信、電子取引データの保存
- 任せられないこと: 所得区分の判断、経費にできるか微妙な支出の判断、家事按分の割合の決定、節税スキームの設計
つまりソフトは「作業」を肩代わりしますが、「判断」は肩代わりしません。判断に迷う論点(所得区分・按分・消費税)が出てきたら、その部分だけでも税理士に相談するのが、結果的に安く済むことが多い領域です。経費・節税ガイドで論点の全体像を掴んでおくと、相談も短時間で済みます。
freee会計:記帳の自動化を最優先する人向け
freeeの強みは、銀行口座・クレジットカードを連携したときの自動仕訳の体験です。簿記の知識がなくても「収入・支出の登録」という形で記帳が進む設計で、確定申告書の作成も質問に答える形式で進みます。物件数が増えて取引量が多くなるほど、自動化の恩恵は大きくなります。
一方で、3ソフトの中では年間コストが高めです。「記帳にかける時間を買う」と考えられるか、が判断軸になります。
民泊実務との相性で言うと、スマホアプリでレシートを撮影して経費登録できるため、消耗品・アメニティの買い出しが多い運営スタイルと好相性です。開業届の作成サービスなど周辺ツールが同じアカウントで使えるのも、これから開業する人には地味に効きます。
- 向いている人: 取引件数が多い、簿記に自信がない、開業届や各種書類もまとめてfreeeで完結させたい人
- 慎重に検討したい人: 年間コストを最小化したい人、取引が少なく手入力で十分な人
プランの詳細・現在の価格: freee会計 公式料金ページ(2026-06-11時点)
マネーフォワード クラウド確定申告:低コスト派。ただし雑所得の人は要注意
年払いならパーソナルミニが月900円相当(税抜)からと、継続コストの低さが魅力です。マネーフォワードME(家計簿アプリ)を使っている人は、連携の感覚がつかみやすいのも利点です。
ただし民泊ホストにとって重要な注意点が2つ、公式に明記されています。
① 雑所得用の収支内訳書には非対応です(公式サポートの対応書類一覧に明記)。家主居住型の小規模民泊などで雑所得として申告する場合、申告書類の自動作成ができず手動対応になります。② パーソナルミニではインボイス(消費税申告)機能が使えません。課税事業者になる見込みがある場合はパーソナル以上を検討してください。
機能面では、仕訳の自動提案・各種金融機関との連携・レポート類など標準的な機能は揃っており、「安いから機能が足りない」という心配は基本的に不要です。事業所得・不動産所得の申告であれば、コストパフォーマンスは3ソフトの中で最も高い部類です。
- 向いている人: 事業所得・不動産所得で申告する人、コスト最優先の人
- 慎重に検討したい人: 雑所得で申告する見込みの人、消費税の課税事業者(またはその予定)の人がミニを選ぶケース
プランの詳細・現在の価格: マネーフォワード クラウド 公式料金ページ(2026-06-11時点)
やよいの青色申告 オンライン:初年度0円で「まず1年使ってみる」
最大の特徴は初年度0円キャンペーン(セルフプラン・ベーシックプラン、2026-06-11時点)です。会計ソフトは「実際に1年回してみないと合うかどうか分からない」面があるため、コストゼロで本番運用を試せるのは合理的な選択肢です。老舗の会計ソフトメーカーで、画面や用語が会計実務の標準に沿っているのも特徴です。
ベーシックプランには操作サポート(電話・チャット等)が含まれるため、「初めての確定申告で、誰かに聞ける窓口がほしい」という人には実質的な保険になります。簿記用語に不安がある初年度こそ、サポート付きで0円という組み合わせは合理的です。
注意点は、初年度0円の感覚で使い始めると2年目から通常料金が発生すること。更新月をカレンダーに入れておき、1年使った感触で継続か乗り換えかを判断するのがおすすめです。
- 向いている人: 初期コストをかけずに始めたい人、操作サポート付き(ベーシック)で安心したい人
- 慎重に検討したい人: 2年目以降の料金を見落としがちな人、自動連携の充実度を最重視する人
プランの詳細・現在の価格: やよいの青色申告 オンライン 公式料金ページ(2026-06-11時点)
民泊シナリオ別の選び方フロー
- 所得区分を確認する — 確定申告・税金ガイドの判定基準で、自分が不動産所得・事業所得・雑所得のどれに当たりそうかを確認します。判断に迷う場合は税理士・税務署へ。
- 雑所得の見込みなら対応書類を最優先で確認 — マネーフォワードは雑所得用の収支内訳書非対応のため、freee・やよいの公式で対応状況を確認のうえ選びます。
- 課税事業者(売上1,000万円超やインボイス登録)の見込みを確認 — 該当しうるなら、消費税申告に対応したプランを最初から選びます。
- 青色申告の予定を確認 — 65万円控除を狙うなら複式簿記+e-Tax申告が前提です。青色申告ガイドで申請期限(原則、開業から2ヶ月以内)も確認してください。
- 取引量でコストを決める — 取引が多いなら自動化(freee)、少ないなら低コスト(マネーフォワード・やよい初年度0円)が目安です。
導入時期についても一点。確定申告期(2月〜3月)は各社のサポート窓口が最も混み合います。初めての申告でソフトを使うなら、年明け早々〜1月中の導入がおすすめです。連携設定と過去分の取り込みを申告期前に済ませておくと、3月に慌てずに済みます。
よくある失敗と回避策
- 年の途中で乗り換えて二重入力になる — 期中の乗り換えは過去仕訳の移行が必要になります。乗り換えは確定申告完了直後(3月〜4月)が最小コストです。
- 無料プラン・最安プランの制限を見落とす — 雑所得書類やインボイス対応など、安いプランほど制限があります。「自分の申告に必要な書類が出力できるか」を契約前に確認してください。
- OTA明細を保存していない — 売上の根拠資料はソフトへの取り込みと別に、電子取引データとしての保存義務があります(電子帳簿保存法ガイド)。
- 複数OTAの売上計上時期がバラバラ — Airbnb・Booking.com等で入金タイミングが異なるため、「いつの売上か」を統一ルールで記帳しないと年末年始の予約で売上の年ズレが起きます。月次でOTA別に突き合わせる習慣が安全です。
- レシートを年末まで溜め込む — 各ソフトともスマホ撮影で都度登録できます。月1回の整理デーを決めるだけで、申告期の作業量が大きく変わります。
- 経費の按分根拠をメモしていない — 床面積比・日数比など按分の根拠は、ソフト外でも説明できるよう記録を残します(経費・節税ガイド)。

よくある質問(FAQ)
Q1. 会計ソフトなしでエクセル管理ではだめですか?
白色申告や取引がごく少ない場合は不可能ではありませんが、青色申告65万円控除には複式簿記とe-Tax等が前提になるため、実務上はソフト利用が現実的です。
Q2. 申告だけ税理士に頼む場合でもソフトは必要ですか?
日々の記帳を自分でやり、申告書作成・チェックだけ税理士に依頼する形なら、ソフトの記帳データがそのまま共有資料になります。依頼範囲は事前に税理士へ確認してください。
Q3. 複数物件・法人化したらどうなりますか?
3社とも法人向けプランが別にあります。法人化の判断ガイドを参考に、法人化のタイミングでプランも見直してください。
Q4. インボイス登録していない免税事業者でも消費税対応は必要ですか?
免税事業者のままなら消費税申告は不要ですが、課税事業者になる可能性(売上拡大・取引先要請)がある場合は、対応プランへの変更可否を確認しておくと安心です。
Q5. 料金は途中で変わりますか?
各社とも改定の実績があります(弥生は2025年9月に価格改定を告知)。本記事の金額は2026-06-11時点の公式掲出情報です。申し込み前に必ず公式の最新料金をご確認ください。
Q6. 確定申告の時期だけ契約して、終わったら解約できますか?
契約形態によりますが、記帳は年間を通じて行うものなので、申告期だけの契約では「1年分の取引をまとめて入力する」重い作業が残ります。年間契約で都度記帳する方が、結果的に時間コストは小さくなる傾向があります。
Q7. 無料の家計簿アプリ(マネーフォワードME等)で代用できますか?
家計簿アプリは複式簿記の帳簿や申告書様式の出力に対応していないため、確定申告の代用にはなりません。収支の把握用と割り切り、申告用には会計ソフトを使い分けてください。
Q8. 夫婦や家族で民泊を運営している場合、ソフトは1つで足りますか?
確定申告は申告者(納税者)ごとに行うため、収入を得ている人が複数いる場合は、それぞれの名義で記帳・申告する必要があります。誰の収入として申告するか(物件の名義・事業の主体)自体が税務上の論点になるため、共有名義の物件などは事前に税理士へ確認しておくと安全です。
まとめ:迷ったらこの順で決める
会計ソフト選びは「機能の優劣」ではなく「自分の民泊の申告形態との相性」で決まります。①所得区分を確認 → ②必要書類への対応を確認 → ③コストと自動化のバランスで選ぶ、の順で考えれば大きな失敗はありません。所得区分や消費税の判断そのものに迷いがある場合は、ソフトを選ぶ前に税理士または所轄税務署に確認するのが結局いちばんの近道です。なお、各社とも無料トライアルや初年度キャンペーンがあるため、実際の画面を触って操作感を確かめてから決めても遅くはありません。
関連ガイド: 確定申告・税金 完全ガイド / 青色申告ガイド / 経費・節税ガイド / 電子帳簿保存法ガイド
⚠️ 業者の料金・サービス内容は本記事公開時点のものです。最新の料金・サービス内容は各業者へ直接お問い合わせください。
📋 ご確認ください(民泊学校 編集部より)
本記事は 2026-06-11 時点で公開されている公式情報・一次情報をもとに編集しています。
法律、条例、税制、消防、各種許認可、収支見通しなどは、お住まいの自治体・対象物件の所在地・物件種別・運営形態によって取扱いが異なります。
最終的なご判断は、必ず以下にご確認ください。
- 制度・条例: 民泊制度ポータルサイト / 物件所在地の自治体(住宅宿泊事業 / 旅館業 / 特区民泊の所管課)
- 消防: 物件所在地の所轄消防署
- 税務: 顧問税理士 または 所轄税務署
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