旅館業の事業譲渡・承継 実務完全ガイド 2026年版|2023年12月改正の承認手続き・都道府県申請・必要書類・住宅宿泊事業との違い
編集: 民泊学校 編集部 | 最終更新日: 2026-06-03
Contents
- 1 この記事でわかること
- 2 結論:2023年12月改正で旅館業の事業譲渡に「承認制度」が新設された
- 3 なぜ改正で事業譲渡が容易になったか:2023年12月改正の背景
- 4 改正前後の手続き比較:何が変わり何が同じか
- 5 承認申請の手順と必要書類:ステップごとに確認する
- 6 都道府県知事への事前相談:窓口と相談内容の実務ポイント
- 7 承継後の対応:現地調査・変更届・継続報告義務
- 8 住宅宿泊事業(届出制)との手続き比較:混同しやすいポイントを整理する
- 9 よくある失敗例:承認申請でつまずくパターン
- 10 行政書士・専門家への相談:確認すべき範囲と依頼のポイント
- 11 旅館業の事業譲渡・承認申請について行政書士に相談する
- 12 よくある質問(FAQ)
- 13 まとめ:旅館業事業譲渡・承継 実務のポイント
この記事でわかること
- 2023年12月13日施行の改正旅館業法で新設された「事業譲渡・地位承継の承認制度」の概要
- 改正前後の手続きの違いと、承認申請が必要になった背景
- 都道府県知事への承認申請に必要な書類と手続きの順序
- 承認は譲渡効力発生前に取得しなければならない点と、実務上の注意事項
- 承継後に求められる現地調査・設備確認・報告義務
- 住宅宿泊事業(届出制)と旅館業(許可制・承認制)の手続き差異
- よくある失敗例と行政書士・所管保健所への相談タイミング

結論:2023年12月改正で旅館業の事業譲渡に「承認制度」が新設された
旅館業(旅館・ホテル・簡易宿所・下宿)の許可は、改正前の制度では原則として他者への譲渡・引き継ぎができませんでした。事業を買いたい側は、新規に許可を取り直す必要があり、施設の設備調査・消防確認・届出書類の再整備など、開業と同水準の手続きコストが発生していました。
この状況が、2023年12月13日に施行された改正旅館業法によって変わりました。現在の制度では、都道府県知事(または保健所設置市・特別区の長)の承認を受けることで、既存の許可に付随する地位(施設の許可番号・許可条件・各種認定)を承継者に引き継げる仕組みが整備されています。承認が認められれば、買い手側は原則として新規許可取得を経ずに旅館業を継続運営できるとされています(最終確認は所管保健所・専門家へ)。
本記事では、改正の背景・改正前後の手続き比較・承認申請の具体的な手順・必要書類・失敗例・住宅宿泊事業との違いを実務目線で解説します。手続きの最終判断は必ず所管の保健所または旅館業に詳しい行政書士にご確認ください。
なお、旅館業全体の売却・M&A・事業売却の上位概念については 民泊・旅館業の事業売却・出口戦略 完全ガイド も参照してください。名義変更・事業承継の一般的な手続きは 民泊の名義変更・事業承継 手続きガイド で、民泊から旅館業への切り替えは 民泊から旅館業への切り替えガイド で取り上げています。本記事はそれらと重複させず、「改正旅館業法の承認申請による事業譲渡・地位承継の実務手続き」に特化した内容です。
なぜ改正で事業譲渡が容易になったか:2023年12月改正の背景
旅館業法は1948年(昭和23年)に制定された歴史ある法律で、長らく許可の「一身専属性」が強く、事業そのものを売買する際の承継手続きが明確に整備されていませんでした。結果として、旅館・ホテル・簡易宿所の経営者交代は「廃業 → 新規許可申請」という形を取らざるを得ず、地域の宿泊施設が廃業するケースも少なくなかったとされています。
観光立国推進の観点から、既存の旅館施設・旅館文化を次の世代に繋ぐ手段として事業承継の円滑化が求められるようになりました。また、地方の温泉地・観光地における旅館の廃業・休業増加が社会問題として取り上げられる中、2023年6月に成立した「旅館業法の一部を改正する法律」において、事業譲渡に係る承認制度が新設されました。施行日は2023年12月13日です。
この改正では、単純な売買だけでなく、合併・分割・相続についても地位承継の枠組みが整理されています。現在の制度の位置付けとしては、以下のように整理できます。
- 事業譲渡(売買):都道府県知事等の「承認」が必要
- 会社の合併・分割:都道府県知事等への「届出」が必要
- 相続(死亡による承継):都道府県知事等への「届出」が必要
本記事が対象とするのは、このうち「事業譲渡(売買)」に係る承認申請の手続きです。
(2026-06-03取得)
2023年12月13日施行の旅館業法改正における事業譲渡・地位承継の承認制度の概要。事業譲渡・合併・分割・相続の各類型ごとの手続き区分を掲載。
改正前後の手続き比較:何が変わり何が同じか
旅館業の事業譲渡において、改正前と改正後でどこが変わったかを把握することは、実務上の誤解を避けるうえで重要です。下の比較表で整理します。
| 項目 | 改正前(2023年12月12日以前) | 改正後(2023年12月13日施行) |
|---|---|---|
| 許可の承継 | 原則不可。買い手は新規許可申請が必要 | 都道府県知事等の承認により承継可能 |
| 申請窓口 | 新規許可として所管保健所 | 事業譲渡承認申請として所管保健所・都道府県等 |
| 申請タイミング | 譲渡(売買)後に買い手が新規申請 | 現在の制度では、承認は譲渡効力発生前に取得することが原則とされている(最終確認は所管保健所へ) |
| 施設の適合審査 | 新規申請と同水準の現地調査が原則必要 | 承認審査の一環として行われる(承継後の調査も行われる場合あり) |
| 買い手の欠格事由確認 | 新規申請書類の中で確認 | 承認申請書類で確認(欠格事由に該当すると承認されない) |
| 許可番号 | 新たに付番 | 現在の制度の扱いは所管保健所へ確認が必要 |
| 合併・分割・相続の場合 | 手続きが明確でなかった | 届出制として整理 |
「承認前に売買を完了させてしまう」事故に注意
現在の制度では、承認は事業譲渡の効力が発生する前に取得していることが原則とされています。売買契約書を先に締結・履行してから事後申請しようとすると、承認が得られなかった場合に契約の巻き戻しが困難になるリスクがあります。売買のスケジュールと承認申請のタイムラインを必ず事前に専門家(行政書士)と所管保健所に確認してください。
承認申請の手順と必要書類:ステップごとに確認する
実務上、旅館業の事業譲渡に係る承認申請は以下のような順序で進めることが現実的とされています(最終的な手続き順序・必要書類は所管の都道府県・保健所に確認してください)。
ステップ1:所管保健所への事前相談
まずは物件所在地の所管保健所(または都道府県の旅館業担当窓口)に事前相談を行います。各都道府県・保健所設置市・特別区によって申請様式・添付書類の詳細が異なるため、この段階で確認することが出発点になります。事前相談では以下の点を確認するとよいでしょう。
- 承認申請の提出先(保健所・都道府県・政令市等の別)
- 申請書の様式(都道府県独自様式の有無)
- 必要添付書類のリスト(地域ごとの差分を確認)
- 審査に要する標準的な期間の目安
- 施設現地調査が行われるかどうか
- 承認前に売買契約を締結することの可否(タイミングの確認)
ステップ2:承認申請書類の準備
承認申請に必要な書類は、厚生労働省のリーフレットおよびマニュアルで標準的な枠組みが示されています。概ね以下の書類が必要とされています(地域によって異なるため、事前相談で必ず確認してください)。
| 書類名 | 概要・ポイント |
|---|---|
| 事業譲渡承認申請書 | 承継者(買い手)の氏名・住所・譲渡人(売り手)の情報・施設の情報を記載。都道府県所定様式を使用 |
| 事業譲渡契約書(の写しまたは案) | 売買の内容・対象施設・代金・引き渡し条件等を明示。承認前の段階では「契約書の案」を提出する場合もある(所管保健所に確認) |
| 承継者の欠格事由に関する誓約書または宣誓書 | 旅館業法第3条第2項に規定する欠格事由(成年被後見人、禁固以上の刑への該当等)に非該当であることを確認 |
| 承継者の身分確認書類 | 個人の場合は住民票・運転免許証等。法人の場合は登記事項証明書・役員名簿等 |
| 施設の平面図・構造設備の概要 | 既存の許可申請時の書類が流用できる場合もあるが、増改築・用途変更がある場合は更新が必要 |
| 消防法令適合通知書(または消防検査済証) | 最新の消防設備の状況を確認。所轄消防署への事前確認が必要な場合あり |
| その他所管保健所が求める書類 | 自治体の条例・規則により追加書類が求められる場合がある。必ず事前相談で確認 |
(2026-06-03取得)
事業譲渡の承認申請の概要・手続きフロー・必要書類の標準的な枠組みをまとめたリーフレット。申請準備の基本資料として活用できる。
(2026-06-03取得)
事業譲渡(売買)のほか合併・分割・相続に係る地位承継手続きをまとめた実務マニュアル。各類型の申請様式例・記載例・審査のポイントを収録。
ステップ3:承認申請の提出と審査
書類が揃ったら所管保健所等に提出します。審査では承継者の欠格事由の有無・施設の基準適合状況が確認されます。審査期間の目安は保健所によって異なりますが、事前相談の段階で確認しておくことが実務上の標準的な流れとされています。審査中に追加書類の提出を求められる場合もあります。
ステップ4:承認の取得と売買契約の完了
承認が下りた後、事業譲渡(売買)の効力を発生させる手続きに進みます。現在の制度では承認の取得が先行することが原則とされているため、売買契約書の署名・代金の授受・施設の引き渡しなどを承認取得後に行うスケジュール設計が現実的です。売買契約書の内容と承認申請のタイムラインは、行政書士・不動産の専門家と事前にすり合わせることをお勧めします。

都道府県知事への事前相談:窓口と相談内容の実務ポイント
旅館業の承認申請の窓口は、「都道府県知事」「保健所設置市の市長」「特別区の区長」のいずれかになります。実際の窓口は物件所在地の保健所(健康福祉センター等)であることが多いですが、政令市・中核市・特別区では市区の担当部署が窓口になる場合があります。
実務上、事前相談を行う際に確認しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 申請様式:都道府県・市区が独自様式を作成している場合があるため、ウェブサイトまたは窓口で取得する
- 標準的な審査期間:スケジュール設計の基礎情報として必ず確認する
- 現地調査の有無・時期:承認前か承認後かで準備内容が変わる
- 消防設備の最新確認が必要かどうか:施設の現況によっては所轄消防署との調整が先行する
- 既存の許可証の取り扱い:名義・許可番号の扱いについて窓口に確認する
- 売買契約書の提出形式:「案」で受け付けるか、正式契約締結済みが必要かを確認
事前相談はできる限り売り手・買い手の双方が揃って行うことを検討してください。窓口によっては、承継者(買い手)だけでなく、譲渡人(売り手)からの情報も確認される場合があります。また、施設の現況(増改築・設備の変更等)についても売り手側が詳細を把握しているため、情報共有の観点からも双方が揃っていると手続きがスムーズになることがあります。
(2026-06-03取得)
観光庁による旅館業の事業承継手続きの案内ページ。改正旅館業法の施行を受けた事業譲渡・合併・分割・相続の各手続き区分と、都道府県窓口への案内を掲載。
承継後の対応:現地調査・変更届・継続報告義務
承認が下りて事業譲渡が完了した後も、旅館業法上の義務は続きます。承継者が引き続き旅館業を適法に運営するためには、以下の対応が現実的な流れとされています。
承継後の現地調査への対応
所管保健所は承認後に現地調査を行う場合があります。施設が旅館業法の構造設備基準を引き続き満たしているか、帳簿・宿泊者名簿の管理体制が整っているかなどを確認されることがあります。調査日程についての連絡があった際は速やかに対応できる体制を整えておくことが重要です。
変更届の提出
承継後に施設の構造設備を変更した場合・施設名を変更した場合・管理者を変更した場合などは、改めて変更届の提出が必要になる場合があります。変更の内容によっては新たな許可申請に相当する手続きが求められることもあるため、変更を検討する際は事前に所管保健所に確認することをお勧めします。
旅館業法に基づく継続的な義務
承継後も、旅館業法が定める以下のような義務は引き続き適用されます。
- 宿泊者名簿の記載・備え付け
- 宿泊の拒否規定の遵守(感染症患者への対応等)
- 衛生管理の実施(清潔保持・消毒・ねずみ・害虫の駆除等)
- 都道府県条例による追加要件(地域ごとに異なる)への対応
- 消防設備の定期点検・報告
承継後の条例上の義務も確認が必要
旅館業法本体の義務に加え、物件所在地の都道府県・市区町村の条例により、追加の届出・報告・衛生管理義務が定められている場合があります。地域によって内容が異なるため、所管保健所または旅館業に詳しい行政書士に確認してください。
住宅宿泊事業(届出制)との手続き比較:混同しやすいポイントを整理する
旅館業(許可制・承認制)と住宅宿泊事業(いわゆる民泊・届出制)は、根拠法・管轄官庁・手続きが大きく異なります。既に民泊(住宅宿泊事業)を運営している方が旅館業物件の承継を検討する場合、あるいは旅館業の事業者が民泊への転換を検討する場合に、手続きを混同するケースが見受けられます。
| 比較項目 | 旅館業(旅館業法) | 住宅宿泊事業(住宅宿泊事業法) |
|---|---|---|
| 根拠法 | 旅館業法(厚生労働省) | 住宅宿泊事業法(国土交通省・観光庁) |
| 事業開始の形式 | 都道府県知事等の「許可」が必要 | 都道府県知事等への「届出」で開始可能(条例制限あり) |
| 年間営業日数 | 制限なし(許可の範囲内で運営) | 年間180日以内(地域によって条例でさらに制限) |
| 事業承継の手続き | 事業譲渡:都道府県知事等の承認が必要(2023年12月改正)。合併・分割・相続:届出 | 届出の名義変更・廃止届・新規届出が必要。承認制度なし |
| 主な申請窓口 | 所管保健所(または都道府県・政令市・特別区の担当窓口) | 観光庁の民泊制度運営システム(オンライン)または都道府県 |
| 施設要件 | 旅館業法の構造設備基準(床面積・採光・換気等)を満たす施設が対象 | 「住宅」として利用されていた実績がある建物(家屋)が対象 |
住宅宿泊事業の届出で旅館業の施設を引き継ぐことはできない
旅館業の許可を受けた施設(ホテル・旅館・簡易宿所)は、住宅宿泊事業(民泊)の届出制の対象外です。旅館業許可施設を事業譲渡で引き継ぐ場合は旅館業法に基づく承認申請が必要で、住宅宿泊事業の届出で代替することはできません。手続きを混同すると無許可営業になるリスクがあります。最終確認は所管の保健所・専門家へ。
旅館業許可施設を住宅宿泊事業に切り替えるには、旅館業の廃業届を出してから住宅宿泊事業の届出を行う手順が現実的とされています。ただし建物用途・構造・所在地の条例によって可否が変わるため、先に所管の保健所・都道府県への確認が必要です。詳しくは民泊から旅館業への切り替えガイドも参照してください。
よくある失敗例:承認申請でつまずくパターン
旅館業の事業譲渡・承認申請は2023年12月13日施行の比較的新しい制度であるため、情報が不足したまま手続きを進めることで生じるトラブルも報告されています。実務上で見受けられる失敗パターンを整理します。
失敗例1:承認前に売買契約を完了させてしまった
事業譲渡の承認は効力発生前に取得することが原則とされています。「承認申請は後でできる」と思い込んで売買を先行させると、承認が得られなかった際に契約の取り扱いが複雑になるリスクがあります。売買スケジュールと承認申請のタイムラインは必ず事前に整合させてください。
失敗例2:自治体の独自様式を確認せずに国の標準様式のみで申請した
承認申請の様式は都道府県・保健所設置市・特別区ごとに異なる場合があります。厚生労働省のリーフレット・マニュアルはあくまで標準的な枠組みであり、実際の申請は窓口の様式を使用する必要があります。事前相談なしに書類を揃えてしまうと差し戻しになることがあります。
失敗例3:消防設備の未更新を見落とした
旅館業の施設では消防設備(自動火災報知設備・誘導灯・スプリンクラー等)の維持が義務付けられています。施設の経年劣化や設備更新の遅れがある場合、承認申請前に所轄消防署への確認が必要になることがあります。設備改修が必要な場合は承認申請のスケジュールに余裕を持たせてください。
失敗例4:欠格事由の確認を後回しにした
旅館業法第3条第2項に定める欠格事由(成年被後見人・旅館業法違反歴・その他法定の欠格要件)に承継者が該当すると、承認は認められません。このチェックは申請書類の準備段階で行うべきですが、後から判明すると手続き全体が止まります。旅館業に詳しい行政書士と事前に確認することが現実的な対応です。
失敗例5:住宅宿泊事業の承継手続きと混同した
住宅宿泊事業(民泊)の事業承継は届出名義の変更・廃止・新規届出の組み合わせで対応します。旅館業の承認申請とは根拠法も窓口も異なります。両者を混同して、旅館業施設を民泊の届出で引き継ごうとするケースは無許可営業のリスクがあります。
行政書士・専門家への相談:確認すべき範囲と依頼のポイント
旅館業の事業譲渡・承認申請は、2023年12月施行の比較的新しい制度であり、専門家でも手続きの詳細を把握しているケースと把握していないケースがあります。依頼先を選ぶ際は、旅館業の許認可に実績がある行政書士を探すことが重要です。
行政書士に依頼する主な範囲は以下の通りです。
- 所管保健所・都道府県への事前相談の代行(または同行)
- 承認申請書の作成・添付書類の整備
- 売買契約書の旅館業法上の記載事項の確認(弁護士・司法書士との連携が必要な場合あり)
- 欠格事由チェックの補助
- 消防設備確認の調整(所轄消防署への同行・書類取得)
- 承継後の変更届・継続報告の管理
また、旅館業の事業売買は不動産取引を伴うことが多いため、宅地建物取引士・司法書士・税理士との連携も視野に入れてください。特に法人間の売買では、法人格の変更・消費税の取り扱い・固定資産税の調整などが複合的に絡むため、各専門家の役割分担を明確にしておくことが現実的です。
旅館業の事業譲渡・承認申請について行政書士に相談する
所管保健所への事前相談・申請書類の準備・売買スケジュールの調整など、旅館業に詳しい行政書士への相談を検討してください。民泊学校では無料相談窓口を案内しています。

よくある質問(FAQ)
Q1. 旅館業の事業譲渡の承認申請はオンラインでできますか。
現在の制度では、承認申請の手続きは所管の保健所・都道府県・保健所設置市・特別区の窓口への書面による提出が基本とされています。オンライン申請への対応状況は自治体によって異なるため、申請先の窓口に確認してください。住宅宿泊事業の届出(民泊制度運営システム)とは手続きが異なる点にご注意ください(2026-06-03時点)。
Q2. 承認申請から承認が下りるまで、どのくらいの期間がかかりますか。
審査期間は所管の保健所・都道府県によって異なり、公式に標準期間が統一されているわけではありません。事前相談の段階で目安を確認することが現実的な対応です。施設の現地調査が入る場合や追加書類が求められる場合は期間が延びることがあります。売買スケジュールには余裕を持たせてください(2026-06-03時点の一般的な情報。詳細は所管保健所へ確認してください)。
Q3. 簡易宿所と旅館・ホテル・下宿では、事業譲渡の承認申請の手続きに違いがありますか。
旅館業法の改正は旅館業の全業態(旅館・ホテル・簡易宿所・下宿)に適用されます。ただし施設の構造設備基準は業態によって異なるため、承認申請に添付する書類の詳細は業態ごとに異なる可能性があります。所管保健所への事前相談で業態に応じた必要書類を確認してください(2026-06-03時点)。
Q4. 相続で旅館業を引き継ぐ場合も「承認」が必要ですか。
現在の制度では、相続による旅館業の引き継ぎは「承認」ではなく「届出」の手続きとされています。ただし届出の期限・様式・添付書類は所管保健所によって異なる場合があります。相続が発生した場合は速やかに所管保健所に連絡し、手続きの詳細を確認してください(2026-06-03時点。詳細は所管保健所へ)。
Q5. 法人が旅館業を承継する場合、個人が承継する場合と手続きが違いますか。
承継者が法人の場合は、個人の身分確認書類に加え、法人の登記事項証明書・定款・役員名簿・旅館業に関する業務執行権者の確認書類などが求められる場合があります。法人格ごとの欠格事由確認も必要です。法人間の売買は税務・登記・旅館業許可の三つが絡むため、行政書士・税理士・司法書士の連携体制で準備することをお勧めします(2026-06-03時点)。
Q6. 旅館業の施設を買った後、すぐに施設名や屋号を変えたい場合はどうすればよいですか。
施設名・屋号の変更は所管保健所への変更届が必要になる場合があります。変更届の要否・様式・提出期限は保健所によって異なります。承継後の名称変更を計画している場合は、承認申請の事前相談時に合わせて確認しておくと手続きが効率的です(2026-06-03時点)。
Q7. 旅館業の事業譲渡の際に、既存の従業員の雇用はどうなりますか。
従業員の雇用の取り扱いは旅館業法ではなく、労働法規(労働契約法・労働基準法)の適用範囲です。事業譲渡では原則として既存の雇用契約は自動的には引き継がれず、個々の従業員との間で改めて雇用契約を締結することが必要です。ただし事業の実態・譲渡の形態によって扱いが異なるため、労働問題に詳しい弁護士・社会保険労務士に確認することをお勧めします(2026-06-03時点)。
まとめ:旅館業事業譲渡・承継 実務のポイント
2023年12月13日施行の改正旅館業法によって、旅館業(旅館・ホテル・簡易宿所・下宿)の事業譲渡(売買)に係る地位承継の承認制度が新設されました。これにより、都道府県知事等の承認を得ることで、買い手が既存の許可を承継して旅館業を継続する道が整備されたとされています。
実務上の核心は3点です。第一に、現在の制度では承認は譲渡効力発生前に取得することが原則とされており、売買スケジュールを先行させる「事後申請」は手続きリスクを高めます。第二に、申請様式・必要書類・審査期間は都道府県・保健所設置市・特別区によって異なるため、所管保健所への事前相談が欠かせません。第三に、住宅宿泊事業(届出制・民泊)の承継手続きとは根拠法も窓口も制度の枠組みも異なるため、混同しないよう注意が必要です。
手続きの最終的な判断は所管の保健所・旅館業に詳しい行政書士に確認してください。本記事の内容は2026年6月3日時点の公式情報をもとに執筆していますが、制度の細部は改正・更新される場合があります。
⚠️ 本記事は2026-06-03時点の制度を解説しています。住宅宿泊事業法・旅館業法・特区民泊の制度は改正される可能性があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
📋 ご確認ください(民泊学校 編集部より)
本記事は 2026-06-03 時点で公開されている公式情報・一次情報をもとに編集しています。
法律、条例、税制、消防、各種許認可、収支見通しなどは、お住まいの自治体・対象物件の所在地・物件種別・運営形態によって取扱いが異なります。
最終的なご判断は、必ず以下にご確認ください。
- 制度・条例: 民泊制度ポータルサイト / 物件所在地の自治体(住宅宿泊事業 / 旅館業 / 特区民泊の所管課)
- 消防: 物件所在地の所轄消防署
- 税務: 顧問税理士 または 所轄税務署
- 許認可・届出: 行政書士(民泊・旅館業に詳しい方)
- 近隣対応・契約: 弁護士・宅地建物取引士
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